叶えるなら現実でおじルドくんが夢すいに吸血された。
「武々夫事件を思い出すな…」と私は若き日へ思いを馳つつ、安らかに眠るロナルドくんを見下ろした。
夢すいに憑かれた武々夫を救出する為、ロナルド君と夢の中に入ったのはもう30年は前のことである。
あの時の武々夫は中で自分好みの美女を作り出し理想のハーレムを作っていたのだが、果たしてロナルド君はどんな夢を見ているのだろう。
やはり、おっぱいが大きなお姉さんとかに絡まれてるのだろうか。やばい、殴りたい気持ちになってきた。ともかく確かめないことには始まらない。
何かあった時の為にジョンに見守りを頼み、私は彼の横で眠りについた。
夢の中の彼はすぐに見つかった。
しかしそれはかなり異様な光景だった。
彼は様々な格好、年齢をした「私」に囲まれてハーレムを満喫していたのだ!
学生服で15くらいの私、魔女のような私、何故かタコ足や女装姿の私もいる。
チャイナ服、バニー服、マミーに猫耳と様々なコスプレ衣装に身を包んだ私もいる。
なんだコイツ一体どういう趣味しとるんだ??
頭が痛くなりつつも「何してるんだバカ。ほら、早く帰るぞ」とおじルドくんに声をかけるが
「ヤダ!まだドラ公ハーレム満喫したい」といい年こいて駄々をこねるオジサン。
(本物が居るのに偽物で満足するとは気に食わんな)
「…仕方ない。大人しく帰るならお祖父様にお願いしてリアルにドラルクハーレムを体験させてやろう!」と言うと食い気味に「帰ります」というおじルドくん。
余りの即答だったので、思わず笑ってしまったぞ。
私の手を握って早く出ようと急かす彼を見て
(綺麗なおねーさん達に囲まれてるかと思ったら、私を増やすなんて…そんなコト考えるのはこの世で君だけだな)とすっかり性癖がバキバキになってしまった彼の愛を感じて、私はこっそり微笑んだ。
外に出たらたまには出血大サービスしてやるか!