変わり種の朝食をまた「トウマ」
「あんたまた……! てか目立つからここに来るのやめろって言ってんだろ?」
大学の目の前に停められた厳ついやたらとでかいバイクとやたらスタイルのいい男。くっきりとした目鼻立ちによく似合う派手なシャツは胸元までボタンが開けられている。通り過ぎる学生がその美貌に目を奪われては、どこか妖しい空気を感じてか視線を逸らして通り過ぎていく。トウマの隣に立っている環だけは不思議そうにその男の顔を眺めた。
「まるっちの知り合い?」
「あぁ。俺はそうだな、トウマの“お友達”ってとこかな」
「へー。そうなんだ、初めまして」
「悪いんだが今日は約束があってな。トウマを借りて行ってもいいか?」
「そうなん? 用事あんなら楽器屋には俺だけで行ってくるし大丈夫っす」
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