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    Nora_Ma13

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    Nora_Ma13

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    うさぎパロ2話目の続き
    この後R15位の描写が入るはず

    うさぎぱろ 最近、日課が一つ増えた。それは、森の奥に住む狼を見張ることだ。なんでそんなことをしているのかと言えば、狼が俺の尊敬する赤ずきんさんを食べないようにするためだ。赤ずきんさんが狼に出くわしたと聞き、その狼に抗議をしに向かった俺は、狼のたくらみをたくみに暴いたのはいいものの、頭に血が上って奇妙な約束をしてしまったのだ。
     だけど、約束をしたとはいえ、信用ならない。だから、朝の毛づくろいを終えたら、その足で森の奥に向かうようにしているのだ。
     狼は、俺を見るとうんざりしたような顔をするので、この見張りにはきっと絶大な効果があるに違いない。それでいて、俺をまるまると太らせようとでもしているのか、「どうせまた何も食べないで来たんだろう」と言って、シロツメクサの花畑へ俺を引きずっていくのだ。約束のためにも連れて行かれたら食べているけれど、同族の仲間たちから、前よりも健康的でいいなんて、良いことのように言われてしまって解せない。
     それでも、不思議なことに狼と約束したことを後悔はしていないのだった。

     ぱりぱり。しゃりしゃり。噛むたびに鳴る、小気味よい音。柔らかな三つ葉の食感と、新鮮な葉の青々とした香りが鼻に抜けていくのが心地よい。森の奥の花畑は、他に寄り付く同族がいないためか、葉が踏まれて硬くなることもなく、腹が立つほどに美味しい。黙々と食べていると、背後でそれを見ていた狼が「なあ、赤いの」と呼びかけてきた。
    「なんだよ、狼」
    「まだそう呼ぶのかよ。名前は教えただろうが」
    「そっちこそ、俺のこと毛の色で呼ぶじゃんか」
     俺は毛並みには自信があるけれど、だからといって色で呼ばれても良いというわけじゃない。失礼なやつには、それ相応の対応をしてやるのだ。また、シロツメクサを食もうとすれば、狼ははあとわざとらしく大きな溜息をついて言いなおした。
    「なあ、太宰」
    「俺はお前が言うから食事中なんだけど」
    「それも含めて、いつまで続けるんだよ、これを」
     まるで、自分こそが迷惑をこうむっていると言わんばかりの口ぶりだ。だが、それこそ、こちらの台詞なのだ。
    「そんなの、お前が赤ずきんさんを諦めて俺を食べるまでに決まってるだろ!」
    「どっちも食べる気がねえと何度言ったらわかるんだよ、あんたは……」
    「そんなの、信じられるかよ。そう言って油断したところをぱくり、なんてのが狼の常套手段ってやつなんだろ!」
     そういう話があると、俺は以前に赤ずきんさんから聞いていた。三兄弟の子豚の話、七匹の子山羊たちの話、それから人間の女の子の話。赤ずきんさんは物知りで、色々なお話を聞かせてくれるので、俺は赤ずきんさんのお話を聴く時間が一等好きだった。その赤ずきんが一番狼に警戒心がないのが心配だけど、きっと赤ずきんさんは優しいから狼を疑わないのだ。だから、その分俺がしっかりこの白い狼を――志賀と名乗った狼を疑って見張らなければならなかった。
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    recommended works

    創作部部誌班

    PASTタイトル:過去作品まとめ
    作者:智紫国基
    テーマ:魔法/宇宙
    過去二年分の部誌に掲載した小説です。あえて加筆修正をせずそのままの文章を使用しています。こうして改めて並べると、文章の書き方の変化やその時に影響を受けていたものがよくわかりますね…笑
    過去作品まとめ
    智紫国基

    ・魔法存在論議 ──── 二〇一八部誌 テーマ「魔法」
    ・星降る夜に ──── 二〇一九部誌 テーマ「宇宙」



    ─・─・─・─・─・─・─・─・─・─



    二〇一八 ──── 魔法存在論議



               魔法というものは果たして、
               この世に存在するのだろうか。



     そのような事を本気で議論しようとするのであれば、誠に不本意ながら少々学の足りない人間であると思われるかもしれない。それくらいは流石の僕とて、理解している。
    しかし、誰にだって、魔法が使えれば、と思う瞬間はあるだろう。



              そう。例えば、今の僕のように。





     僕は、中学生。今日の日付は、八月三十一日。これで、大体の方には何故僕が魔法を渇望しているか、察して頂けただろうと思う。
     …そう、全くもってその通り。僕の机の上には、未だ手付かずの問題集が積み上げられている。
     大体、今は「夏季休暇」期間ではないのか。休暇であるはずなのに、何故課題なるものが存在するのか。…などという事を今更嘆いても意味はなく。魔法が使えないのであれば、 6397

    かほる(輝海)

    DONEシティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作以上の関係

    獠と香ちゃんが好きなかほるさんには「ほら、目を閉じて」で始まり、「ここが私の帰る場所」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以内でお願いします。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/801664

    だって、好きなんだもん(*´艸`*)
    しょうがないよね😂😂
    「ほら、目ぇ閉じろよ」
     いくらキスをするときは目を閉じるのが礼儀でも、それはできない。真っ昼間の明るい獠の部屋で、なぜか獠に押し倒されているあたしは、獠を睨みつけていた。今、この状況で目を閉じてしまったら、それは同意として取られてしまうに違いない。それだけは嫌だ。まだ、昼から伝言板を見に行かなきゃいけないし、ビラ配りもしたい。あんたとここでもっこりが始まっちゃったら、それが全部できなくなる。
    「つまんねぇ意地張ってると、襲っちまうぞ?」
    「最初からそのつもりのくせに!」
     両手で押し退けたって、獠の身体はびくともしない。首筋にキスをされたら、力が入らなくなる。
     どうしてこの男は、いつもこうなんだろう。そんなに心配しなくても、あたしはもう、他に行く場所なんてないのに。あたしが愛しているのは、獠だけ。毎夜毎夜、そう言ってるじゃない。あたしはずっと、獠のそばにいる。夜になれば、あたしは必ずここへ帰ってくるわ。だって、ここがあたしの帰る場所だもん。

       了 434

    lmyonsanl

    DONE探偵とジョーカーのパソドブレ/オリジナル

    高校の頃憧れていた女の子(夜子)について、どこかの誰かが大人になって思うこと。
    ある意味夜子夢。主人公がどんな人かはご自由に。

    ※世界観:人間に成り代わる異形の者がいる現代のような世界。そこで探偵と呼ばれる
    特別な力を持つ者と、異形の者たちが繰り広げるお話。
    作品サイト/https://yumejo20165.wixsite.com/tanjo
    憧れのあの子の瞳は煌めく夜空だった 疲れた――。
     脳内を占めるのはそれだけだ。
    「はぁ……」
     ソファにぼすんと倒れこみ、テレビをつける。ぼんやりと夜のニュースを眺めていると、「晩御飯……」「だる……」「でも何か食べたい気もするし……」「あ、例の件について調べものしておかなきゃ……」などが次々頭に浮かんでくる。せめて家のなかだけでも仕事と離れていたいが、そうも言っていられないのが現実だ。
    「あ~……」
     うめきながら、朝テーブルの上に放置したままだった食べかけのパンに腕を伸ばす。袋を閉めて出る余裕は無かったから、パンはすっかり乾燥してパサパサになっていた。
     それでも何も食べないよりかは、と口に押し込むが、口内の水分がみるみる奪われてしまい結局食べたことを後悔した。コンビニに寄るのすら面倒で一直線に帰宅したが、せめて肉まんでも買ってくるべきだったか。
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