女神的惩戒与远旨 / 女神の罰と思し召し 俺は姫様から心底嫌われている。
いつも誰にでも優しく接している彼女が俺だけに冷たい視線を向けてきた。
いや、むしろ俺の顔さえ見たくないのかもしれない。
昨日も「ついてこないで」と叱責を受けてしまった。
一体何故だろう、俺はただ近衛としての仕事をしているだけなんだ、姫様に邪魔をするつもりなんてないのに。
時々道端の野良犬が羨ましかった、優しくしてもらえるだろうから。
俺は犬にも及ばないのだろうか?
流石に辛いと感じた。
たしかに辛いが、今日も姫様の護衛任務がある。以前よりもっと後ろに下がる方がいいだろうか?五歩だめなら、今日は十歩下がったら?せめて姫様に怒られないように......
と思いながら、俺は目を覚ました。
目の前には懐かしい天井があるーーこれは、俺の実家の天井だ。懐かしいけれど、なんだかすこし古くなっていないか?
いやいやいや、待って、なぜ実家なんだ?俺はハイラル城にいる筈なのに?
そして、さっきから気になるけれど、傍に何か柔らかくて温かくてちょっとくすぐったいものがいる......
「んん......リンク、おはよう......今日は寝坊しなかったですね」
柔らかくて温かくてちょっとくすぐったいものが喋り、その上に急に俺をぎゅうと抱擁して、肩にスリスリしてくる......
この輝い金色の髪、この鈴のような美しい声......
「ひィッ?!」
ーー姫様?!!
驚いたので言いたいことが変な声に変わってしまった。
どうして姫様が傍に、それに俺の実家でいやいやいやすこし落ち着いてまずは姫様の傍から離れないとーー
俺は急いでベッドから転げ落ちた、でもすぐにこの行動に後悔した。
俺の動きによって、布団は床に落ちた。そしてベッドにいる姫様が体を起き上がると、白磁のような美しい体が目の前に現れた。
ーーなぜ姫様が裸なんだッッッッ??!!!?
待て!!!!!俺まで?!?!!!?
ーー今日の護衛任務は終わった、なぜなら俺は処刑されて死ぬことはもう変えらない未来だから。
それより、俺は床に落ちた布団を拾って姫様の体へ被せた。
「姫様、申し訳ございません、まずは服を着てください。」
慌てて服を探して、姫様に渡した......が
「あっ、すいませんこれは私の服です......」
同じ青い服なので間違った。
とにかく姫様の服を渡して、俺はとんでもないスピードで謝りながら姫様に背中を向けて自分の服を着た。
ーー自分の英傑服とはいえ、なんか違う、そしてちょっとボロボロじゃないか?
「ねえ、リンク......」
聴いたことのない優しい声で俺を呼ぶ、俺は思わず背を伸ばして返事をした。
「はい!」
「どうしたの?最近ずっと様子がおかしいですね、本当に大丈夫ですか?」
姫様は後ろから細い腕で俺の腰を抱き、耳のそばで人を溶かすような優しくて心配そうな声で聞いた。
ーーいや、これは、流石に大丈夫だと言えない、変な声を出さないようにする事に精一杯だ、これ以上はもう無理。
何だこれは、何かの罰か?
そもそも俺を起こさないままに城から実家まで運ぶ事も不可能だ。
薬か?
なぜわざわざそんな面倒なことを?
俺のことがお嫌いなのでは?それならば何故そんなに優しくするのでしょう?
頭はもうぐちゃぐちゃになり、痛みを覚えた。