ライラ君視点ライラ「……っ、はぁっ……」
キンスリーさんが乱入してきてから、中々シズさんに攻撃が通らない。攻撃をどう伸ばしても全て防がれてしまうのだ。
せめて、もう一人青武器の方が居れば。
横をちらりと見れば、さっきから一緒に戦ってくれているグレゴリーさんと目が合う。
この人が居なかったら、攻撃を届けるどころか反撃すら食らっていただろう。
先輩にエルフィンドさんを全て任せて来たのだ、ここで引き下がるわけにも行かない。
ライラ「…グレゴリーさん。僕の合図に合わせて突撃してくれますか?……少々、策を思いつきました。」
合図と共に、息を潜め不意打ちを狙う。
気配を殺すのは得意だし、きっと行ける。
ライラ「…では、3…2…1……今!」
するっと敵からは死角になる場所に体を滑らせ、気配を殺し、背後に回る。
……一応、きづかれてはないようだ。
油断せず射程圏内に収め、杖を振るう。
一直線に、シズさんの元へ。
ガキンッ…
ライラ「……!!」
確実に不意打ちを狙ったのに。
小さくなった盾が、攻撃を防いでいた。
シズ「あら、居なくなったと思ったらそこにかくれてたんですね。」
一瞬の動揺を突かれ、鎌で引き裂かれる。
ライラ「しまっ…!ぐぅっ…!」
先輩と違って、失楽園は攻撃を当てないと回復できない。そして、相手には攻撃が中々当たらない。
だから、被弾を避けるような戦い方をしていたのだ。……故に。
ライラ「………っ…、」
完全に動けない。段々と迫って来る。
動け動け動け…!動かないと死ぬのに…!
そんな気持ちと裏腹に、体は動いてくれない。…腹を割かれていたらそりゃあ動かないに決まっている。むしろ生きてる方が奇跡なのに。
その時。
オフィーリア「あーらら、やられちゃってるね、ライラ君」
目の前にオフィーリアさんが現れた。
ライラ「…っ、今は揶揄ってる場合じゃ」
オフィーリア「違う違う、オフィーリアさんも手伝ってあげるよ。じーつーはー、これ。託されてたんだよね〜」
そう言って、オフィーリアさんが取り出したのはジャスティティア剣だった。
ライラ「…!ミカエラさんの…!」
オフィーリア「せいかーい、あいつにはこれが効くんでしょ?オフィーリアさんが前線張ってあげるから後ろで休んでなよ。」
オフィーリア「…じゃあ、始めよっか。敵さん?オフィーリアさん、我ながら結構強い方だから頑張ってね?」