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    せり@グノ専

    @selisu_0911

    グノーシア/レム主展開用アカウントです
    ⚠️オリ主・夢

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    せり@グノ専

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    ⚠️オリ主 レム主♀です。

    ノマエン後のグリーゼ前提、付き合ってる時空

    ##グノーシア
    ##レム主

    願掛け妖精の尋問「レムナン、ちょっと引出しから工具取ってきてくれる? 一番小さくてオレンジのやつ」
    「この間、買ったばかりの……物ですか?」
    「うん、最新版のやつ」
     調整中の機器から目を離さず、彼女は言った。

     休日になると二人で工作をすることがある。機械を分解して、改造する……ある種メカニックの仕事にも似た趣味だった。
     今日もグリーゼで一番新しい概念伝達機器が彼女の手の中で解体されている。

     部屋のチェストに手を伸ばす。工具は一番下。
     本人から言われて開けるのになぜか、躊躇いがある。普段から隠し事の多い彼女が、僕のことを勝手に引出しを開けても構わない……と認識している。
     そう浮かれて少し、工具を取る手を止めて引出しの中を眺めて。

     ――工具の横に、紐で縛られた一冊の本が見えた。

     紙の本より電子化した記録媒体が多い中、彼女が紙を好むことは知っていた。でも本なら引出しではなく棚にしまうだろう。引出しを閉じながら考える。なぜか妙に気に掛かった。

    「工具……これ、ですよね?」
    「ありがとう、それだよ」
    「……スズさん、あの……引出しの中に本が、ありましたけど――」
    「――気にしないで、大したものじゃないから」
     本棚に戻さなくて良いんですか? ……訊ねようとした時にはすでに、間髪入れず跳ね返されていた。 

    「僕のこと、好きですか?」の答えをぼかされた時。
    「手を繋いでも良いですか?」の答えをうやむやにされた時。
     そんな時の空気とよく似ていた。

    「処分、するつもりで……置いてる、ものではないですよね?」
    「……まぁ、そうだね。何日かしたら本棚に戻すから」
    「どうして、引出しに……置いてるんですか?」
    「え、なに。そんな気になる?」
     本当に大したことじゃないのに。そう前置きしながら彼女が話す時、僕にとっては大事であることが多かった。


    「おまじない……ですか?」
    「そうだよ、あまりメジャーじゃないみたいだけど」

     ――キーアンドブック・チャーム。彼女の故郷ではポピュラーなおまじない、らしい。
     本の中で自分が体験したい場面に鍵を挟む。その本を紐で縛って、十月三十一日まで引き出しにしまっておく。すると妖精が願いを叶えてくれてその場面を夢に見たり、現実に起こるのだとか……そういう類のものらしい。
     普段やたらと現実的な彼女の口からおまじないや妖精、という単語が出るのは何だか慣れない。気になることは他にもある。

    「どんな場面に……鍵を挟んだんですか?」
    「……聞くと思った」
     彼女があからさまに目を逸らす時、こんな顔をする時……僕にとっては都合の良い何かが隠されていることがよくある。

     さらに加えれば、あの本には……少々、見覚えもある。

    「僕、あの本の内容……知ってます」
    「何言ってるの? レムナンが恋愛小説なんて読むわけ――」

     途中で言葉を止めたってもう手遅れだ。普段の完璧な取り繕いが、僕の前では案外簡単に綻ぶ。それが分かりにくい油断と、信頼の結果であるともう知っている。
     ……でも僕より、よく分からない妖精に願掛けしてしまう、彼女の少し捻くれたところも。

    「すずなさん……工作は少し、休憩にしましょうか」
    「………………」

     コーヒーでも淹れて、フードプリンターで何か出力して、ゆっくり、雑談でもしながら。
     鍵のありかを聞き出さなければならない。

     ――妖精よりも僕の方が願いを叶えられるかもしれないですよ……とは、さすがに宣言できないけれど。
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    せり@グノ専

    DONE⚠️オリ主 レム主♀です。

    ノマエン後のグリーゼ前提、付き合ってる時空
    祝ホワイトデー

    ↓こちらはバレンタインデー
    https://poipiku.com/8785235/9892665.html
    一輪のデルフィニウム「ホワイトデーはどうだった? 二人でホテル最上階の展望ラウンジでご飯? それとも自家用ジェットクルーズ?」
    「…………一応、聞くけど。それってレムナンの話?」

     ――もちろん。当たり前でしょ。リーダーはスズ君のためならなんでもするから。
     彼女達が口々に肯定の意を示す。ため息のひとつもつきたくなる。
     元革命軍の人達から見た私達は……時々、映像作品の主人公達か何かと勘違いされているんじゃないか、そう思うことがある。レムナンは一体この数年のグリーゼ生活でカリスマ性をどれだけ培ったのか、ホワイトデーのお返しにしては過剰なほどの期待されぶりだ。

     バレンタインデーから一ヶ月。
     先月は「食べたら……なくなる、ので……」と渋るレムナンに日持ちしない箱の中身をどうにか消費させるのに忙しかった。いつまでも冷蔵庫に保管しようとするから、日が経つと味が落ちるとか、食べるためにあるんだからとか、何ならこれが最後じゃあるまいしまた作れるからとか、説得するのが大変だった。
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