「もうちょっと上品に喰うことを覚えな、このクソガキ」
行為を終えた直後ガラガラ声で文句を言った。
「はぁ?そっちもずいぶんとヨガってただろ、それに応えただけじゃねーか」
乱れたベッドに床に散乱した服、大人二人で使うにはいささか小さいベッドが壊れなかっただけマシという程の行為をアキレウスとした。
確かにしたし、自分からも求めた気がする…実を言うと途中から頭が真っ白になりほとんど覚えていないのだ。
「なんだ、上品に扱われる方がいいのか王子様」
そう言うとアキレウスはヘクトールの頭を撫でようと手を伸ばしたが、その腕をヘクトールは掴んだ。
「俺は今は王子ではない、ただのサーヴァントだ」
アキレウスの腕を自分の頭付近から遠ざける。今まで見ていなかったアキレウスの顔を真正面から見ると普段の生活では見せない呆けた顔をしていた。こんな表情できたんだなコイツ。
「生前は王子だろ」
「このクソガキ、今度それ言ったら殺す、あと頭撫でようとするな」
王子という肩書きはもう無いのだ、自分は死んでるし、国も滅んだ。
「オッサンが上品にしろって言ったんだろうが、どーしろってんだよ、わけわかんねぇ」
アキレウスはめんどくさそうに前髪をかき上げた。
「オジサンは君より体力ないから、ガツガツするなって意味で言ったんだが、通じなかったかねぇ」
「マスターの前では現役って言ってんじゃねぇか」
「いや、それは戦闘においての話だよ?オジサンこの行為については言ってないよ?」
普通こういう行為の事についてマスターに何も言わないよなぁと頭を抱える。
「これも戦闘みたいなもんだと俺は思ってんだけどなぁ…」
いや、それは無いだろと反論を言おうとしたとき体が浮いた。
一瞬にして腰と足を持ち上げられ、まるで姫の様に扱われる。
「風呂つれてってやるよ、そっちで上品に丁寧に処理してやろうじゃないか」
「はぁ?ちょっとまて、一人で行けるし処理できるからね?オジサン大丈夫だからね、ちょっと、聞いてる?」
抵抗しようと足を動かしてみるが抵抗虚しくアキレウスの腕力にはかなわない大人しく風呂に連れていかれる事にした。
明日はアマゾネスの女王様とは会えないな、いや、最悪の場合、出会った瞬間逃げないといけない事になるのだろう。