五月二十三日、食堂で行われた永倉新八の誕生日会は大いに盛り上がり日付が変わる1時間前に終わりを告げた。
飲み足りないから部屋で飲もうと誘われた斎藤は隣で酒を飲みなら話す永倉に目を向けた、生前と話す内容は違うが、話し方は一緒だ。
「んで、そん時の大将がな……」
新撰組以外の連中の話も増えた、それは斎藤も同じだがカルデアに来たのが遅い永倉の方が新撰組以外の英霊と交友関係が広い、先程の誕生日会も五稜郭で出会った英霊やいつの間にか交友を広げていた英霊が来ていた。
中にはただ騒ぎたい、飲みたいだけの英霊も居たが永倉は気にしていないようだった。
「おい、斎藤?聴いてんのか?」
「はいはい、ちゃんと聴いてる聴いてる」
「嘘くせーな」
「新八みたいに耳遠くなってないんでね」
「あ"?喧嘩売ってんのか!?」
永倉の顔が持っている酒の方から斎藤の方へ向いた、その隙を逃すものかと斎藤は顔を近づけて永倉の唇を自身の唇で塞いだ、文句を言おうと永倉が少し口を空けると斎藤の舌が入り、永倉の口の中を荒らし、舌を絡めてめちゃくちゃにしていく。
永倉が気づいた頃には頬に手を添えて固定され、2人の限界がくるまで離れる事はなかった。
「いきなり何すんだよ」
「2人きりで飲もうとか誘ってると思われても仕方ないと思わないの?」
「……そういう意味で誘ったんじゃねぇよ」
「ただ飲みたいだけなら他の奴も誘えばいい、新八はバカだけど考えなしじゃないでしょ」
「……だとしてもタイミングってのがあんだろ」
永倉はバツが悪そうに呟いた、永倉なりに誘うタイミングを伺っていたのだろうが全て斎藤のペースに乱されてしまっていた。
「モタモタしてると日付変わるっての」
「わーかってるわ、そんぐらい……あーー斎藤」
「ん?」
「もっとくれ」
永倉はしっかりと斎藤の目を見て言い放った。意図を察して斎藤は、何も言わずもう一度永倉の唇を塞いだ。