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    S_hInO_94

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    Δの半田とロナルドとカメ谷の出会い編
    小学生のパートは全て「」内がひらがななので読みにくいかもしれないですすいません💦
    血を舐める表現があるのでそこだけ注意していただければと思います

    小学生の夏休み、半田は自由研究のための昆虫を探しに普段遊びに行かない公園へ遊びに来ていた。
    日差しが強く、幼いダンピールの半田にとっては辛く公園についてすぐに木陰で座って休んでしまうくらいだった。
    「だいじょうぶ?うごける?」
    銀色の髪に赤い瞳、夜にしか活動できないはずの吸血鬼は真昼間の公園に現れて、半田桃の人生は大きく動き出した。

    大丈夫かと聴きたくなるのはこちらだ、目の前にいるのは、本来であれば活動できないはずの吸血鬼だ。
    けれど真昼間の半田自身が休んでしまう程の日差しが当たっているにも関わらずピンピンとしている。
    「だいじょうぶだ、ちょっとやすめばらくになる」
    「そっかー、じゃあオレもいっしょに、やすもうかな」
    目の前の吸血鬼は勝手に休むと言い出して、半田の隣に座った。
    「ちょっとやすんだらいっしょにあそぼうぜ」
    向けられる笑顔はとてもキラキラしている、相手がどんな吸血鬼なのか分からないけれど半田は「うん」と答えるしかなかった。

    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
    「ロナルドきょうこそはきさまにかつ」
    「わかった、しょうぶだはんだ」
    「じゃあおれ、しんぱんやる」
    「「まかせたかめや」」
    いつの間にか半田は普段行かなかった公園へ毎日のように遊びに行くようになった、吸血鬼のロナルドと、違う小学校の同い年のカメ谷の3人で遊ぶのが半田はとても楽しかった。
    ある時はかけっこをしたり、ある時は砂場で誰が1番高い砂山を作れるか競ったりと半田とロナルドは何かと勝負して負けて勝ってを繰り返していた。
    「かけっこでしょうぶだ」
    「しょうぶだ」
    「じゃあここからあそこまでね、よーいスタート」
    カメ谷の合図で2人揃って走り出した、ロナルドと半田のスピード差はほぼなかった。
    もうすぐカメ谷の指していたゴールに近づいた頃、半田は小石に躓き転んでしまった、ロナルドからしたら急に隣で走っていた半田が消えたように見えたのだろう、ゴールまで行かずに半田の近くに駆け寄ってきた。
    「はんだ、だいじょうぶか」
    「……」
    半田は擦りむいた膝に目を向けて、自分の状態を確認した、走るのは無理そうだ。
    「ちょっとやすむ」
    「うん、じゃあ、あのきのところにいこう」
    ロナルドと一緒に木陰のある所まで行くと半田が転んだ事を見ていたカメ谷がやってきて「おれのいえちかいからばんそうこうとかとってくる」と、急いで行ってしまった。
    半田とロナルドは出会った時と偶然にも同じ場所で同じように座ってカメ谷が来るのを待っていた。
    「はんだ、そこいたくない?」
    「いたいにきまっているだろ、バカるど」
    「そ、そうだよな……」
    半田が怪我をした事により目に見えてロナルドの方が落ち込んでいた。
    「……あ、こういうときににいちゃんから、いいほうほうおしえてもらってるんだ」
    どうせ"痛いの痛いの飛んで行けー"とかの子供だましの呪文とかだろうと半田は高を括って後で後悔をした。
    ロナルドはいきなり半田の擦りむいた部分の血を舐めとった、傷を余計に傷つけないように慎重に周りの部分だけ、チロチロと舌先だけで血を舐める姿は幼い半田には刺激が強すぎた。
    「……ろ、ロナルド、きさまやめろ」
    「え??ニンゲンってきずをなめたらなおるって」
    「それはめいしんだバカるど」
    「え、そうなん?」
    「しょうどくをして、ばんそうこうをはるのだ」
    「ご、ごめん、そんなおこらなくても……」
    「おこってない」
    顔を真っ赤にして大きな声で叫ぶ半田はカメ谷が来るまでドキドキが治まらなかった。

    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
    夏休みの終わりまで残り1週間になった頃からロナルドは公園に来なくなった、その日は突然やってきた、前日まで「またあしたな!」ととびきりの笑顔で言っていたくらいだ。
    半田もカメ谷も突然の事で今日は体調が悪かったのかもしれない、次の日ならと何日か2人で遊んで待っていたがロナルドは来なかった、1週間も来ない日が続いて、明日には学校が始まる。毎日公園に来れるのも今日が最後だ。
    半田もカメ谷もロナルドはもう来ないのかもしれないと心のどこかでは感じていた、突然現れて突然消える。とても吸血鬼らしかった。
    「はんだ、これあげるよ」
    「いいのか?」
    カメ谷から渡されたのは以前ロナルドの事を撮ったチェキだった、吸血鬼用のではないため、うっすらとロナルドが写っている。
    「うん、もってて」
    「わかった」
    学校が違うカメ谷とも明日からは毎日会う事がほぼできなくなる。
    「バイバイ、はんだ、またあそぼう」
    「バイバイ、かめや、やくそくだぞ」

    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
    十数年後、新横浜
    「半田、久しぶりー」
    「カメ谷か、週バンの売上はどうだ?」
    「絶好調!いやー!今週もいい記事ありがと」
    「ウム」
    半田はハンターにカメ谷は記者となった、あの後はずっとロナルドとは会えていない。
    「……?懐かしい臭いがする」
    「?何もしないけど?」
    「ヤツの臭いだ」
    十数年、忘れもしないでずっと探し求めていた臭いだ。
    「ヤツ?」
    「カメ谷行くぞ……この臭いは……ロナルドだ」
    「行く」
    食い気味で返事をしたカメ谷と一緒に半田は大慌てでギルドを出た。

    おわり
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