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    Mary_Tia25

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    Mary_Tia25

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    温泉旅行回の後日談

    「これ!浜風にお土産!」

    「何だよ急に。」

    男性更衣室で、突然浜風に声を掛けてきたのは、スーシィだった。

    「ほら、この前社員旅行で俺たち温泉に行ったんだけど、浜風は留守番だったじゃん?浜風たちは、別日に行くらしいけど、寂しいと思って買ってきた!」

    「そんな事別にいいのに。」

    「はははっ!そんな事言うなって!ほら、開けてみろよ、めちゃくちゃいいの見つけたんだぜ!」

    浜風がやれやれと思いつつも、お土産の包み紙をビリッと破く。中にはもふもふの黒い犬のストラップが入っていた。どこかしら、目付きが鋭い。

    「見ろよっ!浜風そっくりの犬のキーホルダーだよな!運命的な出会いしたわ!」

    「......、俺いつもこんな険しい顔をしてるのか...?」

    「おうっ!いつもそんな顔してるぜ!」

    「そうか...、ふっ...。」

    「お、気に入ったか?浜風?」

    「ああ、ありがたく貰うよ。」

    そう言って、ポケットにキーホルダーを自分用のロッカーに優しく引っ掛ける。スーシィはとてもニコニコしている。

    「俺はこの犬のキーホルダーにしたんだぜ!柴犬の、めちゃくちゃ目がキラキラしてるから買った!」

    そう言って、ロッカーの中から柴犬のキーホルダーを出してくる。めちゃくちゃキョトンとした顔をしている。

    「げっ、つまりお前とお揃いって事か!」

    「ん?ダメか?」

    「いい歳したおっさん2人が、付けるものか?普通?」

    「んえ?別に気にならないぜ、俺は?」

    キョトンとした顔はまさに、スーシィが持っている柴犬のキーホルダーそのものの顔をしていた。呆れつつも、その顔を見た浜風はフッと笑う。
    スーシィもキーホルダーをロッカーに戻し、仕事服に着替える。と言っても、普段から仕事服でいる事が多いスーシィは、似たような服を適当に着るだけだ。だらしないぞと言い、服の襟を治してあげる浜風。

    「お前はかーちゃんか。」

    「...、黙ってろ。」

    「はははっ!」

    黙々と着替えをする浜風の横で、よいしょよいしょと声を出しながら着替えるスーシィ。

    「お前、ご飯食ってない割には筋肉あるよな。」

    「うーん、正直腹がぷよってるから何とも言えん。」

    「え?それでぷよってる?」

    「浜風からしたらそう見えると思うけど、俺からしたらぷよってるんだよ。ほらっ。」

    そう言うと、自分の腹の肉をつまみ出すスーシィ。たしかに、若干摘めるが...。

    「いやいや、全然問題ないから。てかお前、体重何キロなんだよ。」

    「しらね!」

    「知らねって...、ほら、そこに体重計あるから乗ってみろよ。」

    「うぃ〜。」

    面倒くさそうに体重計に乗るスーシィ。数秒後、65キロの数値が出る。

    「お前...、その身長で60キロ台とか...。」

    「ブーブー言うなよー。」

    「正直俺の方があるぞ。」

    「別にいいだろー、お前はかーちゃんか!」

    「...、黙れ。」

    「ルーシィだって50キロ位だから変わんないって。」

    「いや、女と男の体重を一緒にするな。」

    どうでもいいだろー!と文句を言うスーシィに飯を食えと怒る浜風。それを近くで聞いてたのか、ロッカーの後ろから声が聞こえた。

    「ちょっとー、2人でイチャイチャしないでくださいよー。聞いてるこっちが恥ずかしくなりますよー。」

    その声は勝海だ。その一言に「俺はイチャついてない!」と大声を出す浜風と「別にいいじゃーん」と茶化すスーシィ。

    「今日は2人で巡回ですか?」

    「いや、今日は単独だ。たまたまロッカーの着替えタイミングが同じなだけだ。」

    「へぇー、浜風さんはそうなんですね。」

    「そう言えば、氷河は?」

    「ああ、氷河はもう少しでここに来ると思いますよ。」

    「そうか、それじゃあうるさいおっさん2人はここから出るよ。」

    「おっさんではない、まだ俺は若いぞ浜風!」

    「うるさいスーシィ。お前は少し多めにタバコでも吸ってろ!」

    「ひっでぇー。」

    「え!俺は別にうるさいとか思ってませんよ!?」

    「ふっ、冗談だよ、勝海。」

    その一言は、スーシィを驚かせる。あの浜風が冗談を言うことに。そして、何故か懐かしさを感じる一瞬であった。その顔を見た浜風は「気持ち悪い顔してんな」と一言。なんだと!と浜風の背後でギャンギャン喚くスーシィ。扉を開けた瞬間、その光景を偶然見てしまい、ドン引く氷河。その後ろではあわあわしている暁。
    魚抗の一日はこうして始まる。
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