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    Mary_Tia25

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    Mary_Tia25

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    すしるしのやつ

    「そういやスーシィ、お前ってどんな経緯でここで働くようになったんだ?」

    「んえ、何だよ突然。」

    「いや、ただ気になっただけだよ。」

    「浜風〜、もしかして俺たちのこと好きなのか?」

    「な!?何を言ってる!」

    「まあ?真波には負けるとは思うけど、俺たちだって浜風の事が好き好きなんだぜ。」

    「気持ち悪いな!スーシィ!!」

    仕事の休憩中、公園のベンチで食事を摂る浜風とスーシィ。ルーシィは今日も生徒たちに指導を行っている為、巡回はいつもの2人である。
    浜風はおにぎり、スーシィはカロリースティックを食べている。

    「おいお前、そんな量で腹減らないか?」

    「いや?全然。俺はカロリーを摂取出来れば良いと思ってるから。別に食事とか、胃に入れば何でも良いんだよなー。」

    「そう言うもんなのか?だが、俺からしたら仕事に影響が出そうだが?」

    「と言って、俺がミスした時がありますかーってのw」

    「いや、何回かあっただろ。」

    「それとこれとは別です!浜風のばぶちゃんのせいで俺がどれだけ苦労したと思ってるんですのー。」

    その言葉にムッとする浜風。おにぎりを膝の上に乗せ、両手でスーシィの頬をつねる。

    「痛い痛い痛い痛い!嫁入り前の顔に傷を付けるな!」

    「何が嫁入り前だ!そんなんだから、ろくに女が寄ってこないんだよ!」

    「んなぁ!!俺が1番気にしてることを!!!」

    公園でいい歳したおっさん2人が仲良くご飯を食べる。30分ほどで昼食は終わり、残りの時間は仕事の話と決まっている。
    タバコを吹かすスーシィと、またタバコかと呆れる浜風。2人が巡回の時はいつもこうである。
    夕方まで仕事をし、魚抗に戻る2人。今日はそこまで呪詛魚は暴れていなかったので、浜風はガッカリしたような顔をする。その顔に対し「昼間のお返しだ」と、浜風の頬を両手でぺしぺしするスーシィ。てめぇ!と怒りつつも、あははと笑うスーシィにやれやれとため息をつく。

    「明日も浜風と一緒か?」

    「いや、俺は明日単独で行動だ。少し用事があるからな。」

    「そうかー、俺としては寂しいと思ってるなら付いてきてもいいんだぜ?」

    「いや全然。」

    「速攻で草w」

    はいはいとあしらう浜風にブーイングする。
    それじゃあまたなと浜風が後ろに振り向き、右手をひょいとあげる。スーシィはじゃあなと両腕をブンブン振る。

    「なんでここに来たか...ね...。」

    吸い終わったタバコを、ポケットに入れてた吸殻に捨て、新しいタバコを1本くわえる。火をつけ、魚抗に新たな煙が立ち込める。



    「へぇ〜、浜風最近少しづつだけど、心開いてくれてるのぉ〜!」

    「まあな。俺にはそう見えてるだけで、本人はどう思ってるかは分からんけどな。」

    「でもぉ〜、私は嬉しいなぁ〜。真波との約束だからねぇ〜。フンフンフーン。」

    「へぇー?」

    魚抗の仮眠室を勝手に部屋にしてる3人は、今日もテーブルを囲んでカップ麺を食べる。部屋を片付けてたばかりでが、カップ麺の空が少しずつ溜まってきている。

    「明日ゴミに捨てるから2人とも容器を捨ててくれない?」

    「んあ、そうだな。いつもごめんなアクア。」

    「本当だよぉ〜!アクアが居ないと、私たちまじで生きていけなぁい〜!ヒック。」

    「ルーシィ、今日は何本飲んだの?」

    「ん〜、わかんにゃい!あはは!」

    「いつもの事だろ、アクア。」

    「そう言うスーシィは?」

    「んあ〜、わかんにゃいな!はははっ!」

    「そう言うところだよ。この前三好くんも手伝ってくれたから部屋が綺麗になったけど。」

    「本当だよな、俺たち本当に何にもできないよな。びっくりするくらい。」

    はははと話を誤魔化そうとするスーシィ。酔っ払って何を言ってるのかイマイチよく分からないルーシィ。その2人を見てやれやれと思いつつ、笑顔のアクア。

    「でも、家事は出来なくてもゴミだけはまとめておいて欲しいな。そうすれば、ごみ捨て私楽だから。」

    「うっ...、アクアが困ってるなら努力するよ。」

    「それにしても、何で2人はそこまで家事全般が出来ないの?皿洗いも出来ないくらいだから。」

    その言葉に2人は一瞬、うっ...とした顔をする。何か言いたくない事を隠したような顔をしている。その表情に慌てるアクア。

    「ごめん!言いたくないことだってあるのに聞いてごめんね!忘れて!」

    「いや、いいんだよ。これに関しては本当にこっちの問題何だよ。」

    「そうねぇ...、私たちが吹っ切ればいいんだけど、どうも上手く言えなくてね。アクアはちゃんと昔の事言ってくれたのに、本当に私たち大人として最低ね。」

    「そんな事ないよ!言いたくないなら言わなくていいんだよ!私は...、2人がいればそれでいいんだから!!そんな悲しい顔しないでよ...。」

    目が少し潤んでるアクアに慌てる2人。

    「絶対に1人にはさせないから。」

    「泣かないでよぉ、アクアぁ〜!」

    アクアの体にギュッと抱きつく2人。その行動に、驚くことなく2人に抱きつくように腕を伸ばす。数秒間3人でハグをする。スッキリしたのか、3人の表情はにこやかである。そしてあははと笑う3人。本当に、誰が見で幸せそうな光景である。
    何時間か3人でダラダラし、眠くなったら電気を消して寝る。これもいつものルーティンである。そうして一日が終わる。



    深夜、時計の音だけが響く静かな時間。トイレに行きたくなり、目が覚めるルーシィ。手洗い場に行く前に冷蔵庫を開け、ビール缶を1本手に持つ。

    「起きちゃったからいいよねぇ〜。」

    そうひとりで言い訳を呟く。
    お手洗いを終え、部屋のテーブルで1本飲もうとしたが、流石に2人が寝てる時に飲むのはうるさいかと思い、廊下に出る。
    緑色に光る非常出口の看板と、淡く光る非常灯。そして、タバコの香り...

    「あれ?起きてたの!?スーシィ!」

    「んあ、その声はルーシィか?」

    「まあ、20分前にトイレ行きたくなって起きてって感じだな。なんか目が覚めたから、部屋でタバコ吸うのも申し訳ないし。」

    「私と一緒じゃん。」

    「はははっ、そうだな。」

    廊下の長椅子に2人並んで座る。タバコの匂いにビールの匂いが追加される。2人は静かにたしなむ。
    5分ほど静かに過ごしていたが、ルーシィが口を開く。

    「ねぇ、私たちの過去を言うべきだと思う?」

    その一言に、表情が固くなるスーシィ。頭を抱えて考える。

    「そうなんだよな...。本当は隠し事をしたくないんだけど、どうも上手く切り出せない。」

    「わかる、浜風とアクアにだけはちゃんと伝えたいんだけどね...。私たち、こういう所ではチキンだから。」

    「本当だよな...。」

    タバコをくわえ、深いため息と共に煙が周りに漂う。

    「本当はさ、私たちの問題でもあるから、隠すと言うよりかは言いたくないんだよねって思ってるんだけどね。でも、それって本当にいいのかなって思っちゃって...。」

    「...、おばさんならこんな時なんて言うんだろうな...。」

    「......、本当よね。」

    ビールを一気に半分以上飲み込み、タバコは3本目に突入する。
    その後、少し長く考え始める2人。どうすべきなのかを考える。

    「ねぇ、私たちが潜里にスカウトされた日のこと、覚えてる?」

    「んあ、覚えてるぜ。あの時の事はまじで忘れることなんて出来ないよ。」

    「...、そうだよね。当たり前だよね。」

    「今日さ、浜風に言われたんだよ。どうしてここに来たのかを。その一言に何にも言えなかったよ。ついに浜風に聞かれる日が来るとはな。」

    「本当、長い付き合いだけど、よく今まで聞かれなかったよね。」

    「それほど俺たちに対して興味持ってくれるのは、俺としては嬉しいけどな。」

    「わかるぅ〜。」

    お互い同時に顔を向き合う。同じ行動に2人でプッと笑う。

    「浜風の事は真波に任されたんだから。私はどんな事があっても、浜風を救ってあげたいな。」

    一瞬表情を暗くするスーシィ。そして、言いたくなさそうな感じで言う。

    「でもさ、それってお前にとって重みになってないか?正直、オレは浜風が自分で決めたならいいとは思って...」

    話の途中でルーシィは右手の人差し指で口を塞ぐ。その表情は少し引きつった笑顔だ。

    「分かってる...、それは私が1番わかってる...。でもさ、親友に任されたらさ、破る事なんて出来ないよ...、私...。」

    人差し指を口元から離すような動きをするスーシィ。指が離れたので続けて話す。

    「昔のトラウマが正直まだ残ってるのか?約束を破る事がいけないことだって。」

    その一言は当たりだったのか、言葉を失うルーシィ。

    「すまん!そういう訳じゃなくて、その!」

    「ううん、スーシィは合ってるよ。約束を破ってしまうことは仕方ないとは分かってる。だけど、破ることに対して怖い私も居る...。本当、良くないよね!あはは...。」

    ビールを一気に飲み込む。空になった缶を右手でぐしゃりと潰す。

    「私ね、潜里があの腐った環境から脱出させてくれた事は本当に感謝してる。だから、今は潜里の為に働いてる。」

    「そうだな...。」

    「本当は、おばさんも一緒に救ってあげたかったけど...。動かなくなったおばさんを、あの場から救えなかった記憶が蘇ることがあるの。3人でここから出ようって約束したのに、それが出来なかった私は、生きる意味があったのかすら思った。」

    「......。」

    「でもね、潜里と出会って、浜風と真波にも出会って。もしかしたら、私自身変われるかもしれないって思ったの。何事にも縛られない私に変われるかもって。でも、真波の約束はやっぱり破れない。」

    「...、そうか。」

    「あっ!でもね、私だってここで何十年も働いていれば、少しは良くなるもんだよ!」

    「たしかにな。」

    「スーシィだってそうだよ!ここに来た時は本当に何に対しても絶望してた顔してたんだから、良くなった方ですよ!」

    「へっ、お前が言うことかw」

    「あたりまえっ!」ドヤァ

    近くにあったゴミ箱に潰したビール缶を投げ、綺麗に入る。よしっ!と声を出すルーシィ。

    「たとえ、何かがあったとしても私はみんなを見捨てない!それが、私が唯一出来ることだから。」

    「お前らしくていい事だ!」

    「でしょ〜!」

    「俺も、少し変わらないとな。」

    少し考え事をする。そして、思い切った顔をするスーシィ。

    「次、浜風に過去の事聞かれたら、俺言うわ。いいか?」

    その言葉に、本当に!?と驚いた顔をするものの、決意にみなぎったスーシィの顔を見て

    「わかった!私も、アクアにちゃんと伝える!スーシィにだけ重い荷物背負わせてもあれだからね!」

    「はははっ!ありがとうよ!」

    決意を決め、同時に立ち上がる2人。流石に深夜に目が覚めたとはいえ、1時間も頭を使っていたせいか眠くなる2人。。明日から頑張ろうとお互いにハグし合い、部屋に戻る。
    たとえ、それが理由で気を使わせてしまうのかもしれないと思いつつも、その時になったら考えよう。それが、2人の考えてあった。



    「おはよう!!!!」

    カンカンカンと金属の音が鳴り、声が耳元に入ってくる。
    朝になるの早過ぎないか?と、布団に籠る2人であった。

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