Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    nekononora

    94とFGO。書くのも読むのも雑食でいきます。逆、リバ、R、G、などなど書きたいように書き散らかします。
    設定がわからーん!

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 82

    nekononora

    ☆quiet follow

    パーバソワンドロ
    お題:マント
    時間:1h
    事前作成。ある日、バソが猫化して……。

    #パーバソワンドロライ
    #パーバソ

     その日、ストームボーダーにアラートが鳴り響いた。
     すぐにダ・ヴィンチの声がスピーカーに乗って艦内に響き渡る。
    『テストではない。繰り返すテストではない。数秒前、カルデアは攻撃を受けた。狙われたのは霊基グラフ。プロテクトと防衛システムが作動し、大きな損傷はでなかったが、かすりはした。つまりなにを言いたいかというと——』

     廊下でパーシヴァルは緊迫した雰囲気の中、緊張した面持ちで艦内放送に耳を傾けていた。
     その恵体を飾るマントが、くんくんと引っ張られる。
     自分は立ち止まっている。
     引っかける動作はしていないし、引っ張られるにしても、あまりに下だと気づいて、放送に耳を傾けながら、下を向いた。

    『——一部サーヴァントが猫化したから、見つけ次第、保護してー!』

     ダ・ヴィンチの張り上げた声は耳に、目はパーシヴァルの手のひらサイズの黒猫が小さな手で頑張ってパーシヴァルのマントをくんくん引っ張る様を映していた。


     引っ張っていたが、そのうち爪が刺さって抜けなくなっている動作に変わり、パーシヴァルはマントを自分の身から外して、マントを子猫の座布団にすると、抱え込んで管制室に急いだ。
     子猫はパーシヴァルが恋焦がれているあるサーヴァントの魔力を帯びており、まさかと思いつつ、そうならば真っ先に自分を頼ってくれたようで嬉しいと思いながら。
     そしてダ・ヴィンチに黒猫を診てもらったところ、パーシヴァルの予想通りのサーヴァントだという。
     パーシヴァルは腕の中に戻ってきた子猫の名を、おそるおそると呼ぶ。
    「バーソロミュー?」
    「にゃぁう」
     診察中もパーシヴァルと引き離されると鳴いて訴ったえていた小さな子猫が、返事をするように鳴いた。
     鳴きすぎて少し声がかれており、今はパーシヴァルの腕の中、畳んだマントの上で足をふみふみしている。鳴いてから満足そうにこてんと転がり、腹を上に寝ている姿に、パーシヴァルの色んなものが撃ち抜かれた。
     自分が責任を持ちますとパーシヴァルはそれが当然の流れと主張し、その主張は誰にも否を唱えられる事なく受け入れられ、自室を与えられて猫バーソロミューとの生活が始まった。

     部屋では跳んで跳ねてネズミの玩具で遊んでとやんちゃな子猫バーソロミューであったが、外は怖いらしく一歩外に出ればパーシヴァルの足元を擦り寄るように歩いた。パーシヴァルがいつか踏みそうで怖いとキャリーケージを用意したが、バーソロミャーは断固拒否。
     入れられそうな気配を察知すると猫弾丸で部屋を飛び回って逃げ回った。
     ベッドの下に酷い酷いとみゃあみゃあ籠城し、最終的にパーシヴァルが手や肩に乗せて移動する事で問題を解決した。
     そんな甘えん坊全開のバーソロミャーと甘やかすパーシヴァルだったが、流石に円卓会議には連れて行けないと、パーシヴァルが断腸の思いでカルナに部屋に来てもらい、マントを置いて会議に出席すれば、バーソロミャーは大人しくしていたものの、マントを扉の前に引きずっていき、マントに乗ってそこから動かずに、ニャーニャー声が枯れるまで鳴いた。
     それを聞いた王の『連れてきなさい』の鶴の一声でバーソロミャーはバーソロミューも出席した事のない円卓会議に顔を出す事となった。
     円卓会議の時はパーシヴァルの太ももの上を陣取り、パーシヴァルが何か書き物をしたり、書類を読んでいたら悪戯をして、怒られようものならこの世の終わりみたいな表情で切なげに鳴く。
     パーシヴァルは焦るものの、その様子を円卓の皆は微笑ましく見やり、そしてバーソロミャーにかまいまくった。
     パーシヴァルの膝の上や手の上、肩の上ならばおとなしいいい子のバーソロミャーは、たくさんかまってもらい、ちゅーるを貰い、上機嫌だったという。
     そんな風に常にどこに行くにも一緒なパーシヴァルとバーソロミャー。
     その様子を見たあるサーヴァントが、片手が塞がるのは不便だろうと、パーシヴァルのマントを抱っこ布に結ぶ方法と教えてくれ、ミスクレーンがそれを見てパーシヴァルのマントで抱っこ布を編んでくれ、パーシヴァルの胸元にバーソロミャーがいる光景が日常になっていった。


     そして後日、無事に猫化は解けた。
     蛇足として、バーソロミューは照れて恥じてパーシヴァルを避けようとするが、二十四時間常に一緒だった為に近くにいないと落ち着かなくなり、マントだけでもと略奪しようとして返り討ちにあい、「ならば本体と一緒にいれば解決では?」と丸め込まれ、お付き合いが始まった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💙🐱☺☺💕💕🐱🐱🐱🐱💘💘👍☺☺❤☺🙏🙏💴💴💘🐱💖🐱💘🐱💗🐱💘🐱💗
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works