■「Off-White Morning」──Francisの休日、Izaackの訪問午前九時。
珍しく時間に追われない朝。
Francisはシャツの袖をまくり手元のカップに温めたミルクを注いだ。
休日にコーヒーを入れない理由は簡単だった。
「気を緩めたくない」
ただそれだけだった。
──ノック。
扉を叩く音が二回。遠慮のない、記者の音。
「……こんな時間に誰か」
扉を開けるとやはりIzaack Gaussがいた。
「やあ、休日に一人でミルクなんか啜ってるって話を聞いてさ。
これは是非とも邪魔しなきゃ、と思って」
「……誰に聞いたのですか」
「それは、記者の秘密」
Izaackは勝手に靴を脱ぎ部屋の中へ。
Francisは眉一つ動かさず扉を閉めた。
「……休日は干渉を望みません。煙草の灰も」
「消してる。ほら」
片手に新聞、もう片方には紙袋。
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