❏設定❏
・とくになし
❏本文❏
〜事後〜
彰人「――……っ、は、あ……っ、は、あ……」
冬弥「彰人、とても可愛かった」
彰人「……っ、ば、か……」
彰人:呼吸を整えながら必死に悪態をつくも、わずかに頬をゆるませる
冬弥:即座に彰人の態度が本心とは真逆であることに気がつくと、彰人の頭を優しく撫でながら微笑みを浮かべる
冬弥「彰人は、本当に可愛いな」
彰人「……っ!? な、なに、言って……!」
冬弥:一瞬で真っ赤になった彰人の頬を両手で包みこむと、彰人の唇にチュッとキスをする
彰人「――――…………っ!?」
冬弥:チュッチュッとついばむようなキスを繰り返す
彰人:冬弥の唇が触れるたびに、とろんと瞳を蕩けさせていく
彰人「……」
冬弥「……」
彰人・冬弥:お互いに名残惜しい気持ちになりながらも、ゆっくりと唇を離すと同時に至近距離で見つめあう
彰人「……」
彰人:冬弥の胸元にぽすんと顔を埋める
冬弥「彰人?」
彰人「……」
彰人:不思議そうな声色で名前を呼んでくる冬弥とは対照的に、複雑な表情を浮かべながらキュッと唇を引き結ぶ
彰人「こんな顔、絶対に見られたくねえ……」
冬弥「……」
彰人:油断するとすぐに頬がゆるみそうになるのを必死に押し止めようとしている
彰人(ダメだ、どうしてもニヤけちまう……冬弥に可愛いって言われたり、頭を撫でられたりするたびに、なんでかは分からねえけど、すげえ変な気分になって……もっと、欲しいって……)
彰人「――――…………っ!?」
彰人:突然ハッと目を見開いたかと思うと、心中で呟いていた言葉を途切れさせながらバッと勢いよくお互いの体を離す
冬弥「……? 彰人、今度はどうしたんだ?」
彰人「――……っ!? な、なんでもねえ!!」
彰人:真っ赤になった顔を隠そうとするように冬弥に背を向ける
彰人(オレ、いま何を考えてた……? 冬弥に可愛いって言われるのが嬉しい、とか……女みてえに頭をぽんぽんってされんのが嬉しい、とか……)
冬弥「彰人?」
彰人「……」
彰人(このままじゃ、ダメだ……このままじゃ、オレは……)
彰人:背後にいる冬弥には気付かれない程度にさりげなく、グッと拳を握り締める
彰人(いつか、取り返しがつかなくなっちまう――――!)
~数日後~