ヤマ千 家に呼んでご飯を食べさせてたら付き合ってると思ってた話中途半端な時間に解放されて、大和はテレビ局員に勧められたままビル内のカフェテリアに入った。
ゲートの中にあるここは、洒落た店内でありながらもテレビ局で働いてる人しか入れないため、一般の人目を気にする必要はない。この時間帯、カフェテリアは閑散としていた。
大和はカウンターで受け取ったほうじ茶ラテとサンドイッチを、窓際の2人がけテーブルに置く。テレビ局の上階から見える景色はビルばかりだ。改めて眺めたことはなかった。非日常に感じられて、年甲斐もなくワクワクしている自分に苦笑した。
カバンから台本を取り出して、パラパラと捲る。ありがたいことにアイドリッシュセブンは多忙で、共有のスケジュールを確認する限り、寮に帰ったところで誰もいないだろう。寂しさはあるが、このカフェテリアを知れたのは良い機会かもしれない。サンドイッチを齧ると、職場併設のカフェとは思えない、ベーコンのしっかりとした塩味がする。
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