モモユキ Dom/Subユニバース「ユキさんってSubだったの?」
「うん」
ユキは小さく頷いた。
ユキがSubだったなんて、全く知らなかった。ステージの下から見上げていた頃だってそうだ。Subには全く見えていなかったから。
「パートナー、居るんですか?」
自然と、今は消えてしまった彼の本当の相方を思い浮かべた。ユキがSubだと知れば自ずと浮かぶ疑問だった。あの、ステージの上から的確に状況を見回してから指示を出していた姿を思い出す。思い返すとあれはDomらしい仕草だったのではないか。
「いない」
ユキが首を振る。肩のあたりで銀色の毛先が揺れて、キラキラ光って見える。自分たちの立場だってあやふやな中、ユキの周りはいつだって明朗だった。
「大丈夫なんですか?」
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