チュートリアルは最後までお読み下さい「あーこれは夢だな」
俺は弓道部の部室に入るなりそう直感した。
先に来ていた荒垣さんと樋口さんの頭の上にギャルゲーなんかで良く見る好感度バロメーター的なものがくっついていたからだ。
2人の俺への好感度はともに50%。この数値なら「いい後輩」ってとこだろう。
「これ重い〜」
「いいっすよ、樋口さん。後で俺運びますから置いといてもらって」
「不破優しい〜」
樋口さんの好感度バロメーターが少しだけ上昇する。どうやら選択肢以外でも攻略対象への対応が好感度に関わってくる仕様らしい。
「遅くなりました」
そう元気よく部室に入ってきたのは大田黒だ。頭の上の好感度バロメーターは60%。同級生で絡みが多い分少し高く設定されてるのかもしれない、そんなとりとめのない事を考えていたら大田黒の後ろに隠れて見えてなかった二階堂が「ちわっす」と小さく挨拶して入ってきた。
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