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    su_o5i

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    【夢現】のリクエスト下さった方

    ありがとうございました😌


    💛→→→→→💜
    (まだ付き合ってないです、💜の方は自覚無しです)

    #mafiyami
    #lucashu

    いつかは一緒にシュウは最近、忙しさのあまり不眠が続いていた。
    眠ったとしても、夢は覚えてないがどこか嫌な夢ばかりで
    すっきりと目覚める事は出来ず、寝酒にも手を出したが癖になりそうで怖くなってやめた。

    いつもは、疲れていたら倒れるかのように眠れるはずなのに睡魔は頑なにうんともすんとも言わず、シュウの隈は少しずつ濃くなっていくばかりだった。


    あまりの寝不足に、思考は鈍くなり少し苛立ちながらも
    どうにかして眠りにつこうと色々試すために

    携帯を開き、検索欄にて
    『寝不足 解消法』

    文字を打ち込み、スクロールしてベッドの上で流し見していると

    (ん?)

    【話すと眠くなる相手と会話をする】

    記事を見ると、なにやら安心できる家族や友人、恋人と会話をする事によって眠気が出るらしい

    シュウはそれを読んだ瞬間、頭にすぐ浮かんだのは家族では無く

    親友のルカだった。

    彼と居ると、一見ずっと騒がしいように見えるがそんなことは無く、家に居る時とは違った安心感があり

    「ずっと傍にいたいな」

    なんて友人に思っていいのか分からないが、そう思う気持ちがシュウの中で依然よりも強くなっていた。

    これまでリアルの友人は少なからず居たし、今も周りにはたくさん同期や仲間も居るが ルカだけは"特別"だった。

    確かに、ルカと通話をしていると眠気が来る事は多々あったし寝落ちする事もあったが

    (出来ればルカの時は寝たくないんだよね…話すの楽しいし。それに…)

    寝落ち間際の自分に、ルカがコソコソ何か囁いてるのが何度か聞こえたことがあり、後日改めて聞き直したとしても笑って誤魔化され教えてくれず、少し残念に思うこともあったシュウ。

    そっと、解消法の候補からルカを外し、他のメンバーも考えたがなんか違うな、と結果に至り

    また違う方法を探す為、新しく検索欄に文字を打ち込もうとした

    その時

    ---ピロンッ

    (……え、ルカ?)

    最近ずっと忙しくて中々お互い会えなかった事もそうだが、迷惑になるかもしれないと連絡も極力控えていたシュウに

    ルカから、久しぶりにメッセージが届いたのだ。

    嬉しくなって、急いで内容を確認すると

    『シュウ!俺、今日時間空いたんだけどシュウが大丈夫なら、俺の家で一緒に遊ばない?』

    そのメッセージに、先程まで苛立っていた気持ちは消え失せ明るい気分になる。

    『もちろん、すぐ行くよ』

    シュウはベッドから飛び降りて、身支度を済ませルカの家に走って向かった。


    ***


    「ハロー!!シュウ、いらっしゃい!会いたかったよ!!」

    玄関を開けるなり、勢い良くシュウに抱き着いてきたルカ

    その抱きしめる強さに少し驚きながらも、シュウもルカに会えた事に安心して

    「うん、僕もだよ」
    久しぶりだね、と抱き返して答えた

    「良かった!シュウも今日空いてて!


    あれ…」

    「ん?どうしたの?」

    シュウの顔を覗き込んでは、一瞬暗い顔をしたルカだが

    すぐに笑って
    「ううん!なんでもないよ」

    ほら上がって!シュウと遊ぶ物たくさん用意したんだ!


    犬がしっぽを振ってるかのように、会えて嬉しいを全身から溢れ出すルカにシュウもやっと笑って

    「お邪魔します」




    家の中へと入った。






    相変わらず、ルカの家はミニマリストで整理整頓もきちんとされており、ソファーも綺麗にされていた。

    「ちょっと待ってて!」

    ルカが何か取りに、奥の部屋に消えていくのを見ながらシュウはいつも座ってる場所に腰を掛けて待つ。

    暫くすると
    「お待たせ!」
    戻ってきたルカが、手に持っていたのは

    「ブランケット?」
    「うん!外寒かったでしょ、これ使ってね」

    シュウの肩にそれを掛けて、ルカが一緒に遊ぶ為のゲーム等を用意する。

    掛けてもらったブランケットをルカに気付かれないようにそっと鼻まで上げて、匂いを肺いっぱいに吸い込めば

    (………やっぱり落ち着くなぁ)

    寝不足で回らなかった頭が、少しだけスッキリしたような気がした。

    「シュウ、準備できたよ」
    テレビから戻ってきたルカに気付いて、急いでブランケットを離す

    ルカがシュウの隣に座ってコントローラーを渡すと
    「ありがとう、どこからやる?」

    忙しくなる前に進めていたゲームのメニューを弄りながら、たくさんあるマップを二人であれこれと悩み

    「前の続きは?」
    「いいけど、ルカは僕の事をすぐ殺しちゃうからなぁ」
    「殺さないよ!!あれは誰かが俺のコントローラーを乗っ取ったんだ」
    「誰かって?」
    「…………ふははっ!わかんない!」
    「んははっ、仕方ない。そういう事にしておいてあげよう」


    それからは、一緒にゲームしたり動画見たりで喋って笑って騒いでると、あっという間に時間は過ぎ

    来た時明るかったはずの部屋には、いつの間にか夕日が差し込んで少し薄暗くなっていた。


    「シュウごめん、ちょっと仕事のメール返していい?」
    「いいよ」

    そして数分前、ルカが携帯と睨めっこ状態になってからは自然とお互いの間に心地良い沈黙だけが流れ続けて、ルカを待ちながら自分も携帯を見ながら待っていたシュウ


    すると

    (……どうしよう、すごく眠い…)

    徐々に自分の瞼が、落ちてきてる事に気付いたシュウ。最近自然と来ていなかった睡魔が今、ルカと過ごしてる時に訪れてしまったのだ。



    頑なに来なかった睡魔が来て嬉しい筈なのに、何でこのタイミングなの?と少しの苛立ちと悲しみが混ざる

    今眠ってしまえば、ルカとまたいつ二人で遊べるか分からない。今時期、お互い本当に忙しく予定を前持って立てたとしても当日にダメになる事なんて当たり前だった。

    それが、奇跡的に今日だけ予定が合って会えたのに
    眠って時間を無駄にしたくない。

    (いやだ……まだ、一緒にいたい)

    シュウは意地でも眠らない様に、隣に座ってるルカの方に体を預けては頭をぐりぐりと肩に押し付けて、ルカの手を握って指を弄りながら

    「るか、なんかはなして」
    「ん?どうしたのシュウ」
    「いいから…はやく、」


    拙い言葉で、幼子がぐずるように頼み込めば

    ルカが笑って「いいよ!」と、楽しい話をし始める。


    ルカの声は大きいから、耳元で声を聞けば目が覚める筈と思ったシュウは、眠さで大胆に頭をルカの方に押し付けて声に耳を傾けるが

    聞こえてきたのは、シュウを寝かし付けるような優しい声だけだった。

    (違う、ルカ)
    (もっと大きい声で話してよ)
    (‎眠りたくない)

    頭ではそう言ってるはずなのに、全く動かない口と重たすぎる瞼にそろそろ限界になって、シュウが目を閉じようとした時

    「…好きだよ」


    夢現な状態で、ルカからそんな事を言われたような気がして

    やっと何を言っているのか聞こえたそれに、嬉しくなって

    「うん、」

    僕も。

    応えれたかどうかは分からないが、意識が落ちる寸前ルカの笑ったような顔が夢の中で見えた気がしたシュウは





    追いかけるように、夢の世界へと意識を飛ばした。











    ルカは隣でやっと眠ったシュウに安堵しながらも、顔を真っ赤にし、かなり焦っていた。


    (やばい、どうしよう俺…今日こそ言うつもり無かったのに!!)

    ルカはいつも、眠りに落ち掛けてるシュウに直接恥ずかしくて言えなかったが毎回寝落ちる瞬間を見計らっては

    『好き』

    と、伝えていたのだ。

    だが今日は、隣にいるし絶対我慢しなければと思っていたのだが

    溢れた想いが耐えきれず

    つい、「好きだよ」と声に出してしまったのだ。

    しかも、シュウも本当にその"意味"を分かっているのかあやふやな状態で

    「僕も」

    と答えたもんだから、余計に動揺は止まらず自分のうるさすぎる心臓の音でシュウを起こしてしまいそうな気がして離れようとしたが

    必死に、離すまいとルカの手を握ったまま眠ってしまったシュウ

    「ハァーーーーーーーっ、……どうしてくれるんだよほんと、」


    ほぼ生殺しのようなこの状況に、深く溜息をついた。




    ルカは家に来た時から、シュウの顔色が良くない事と隈が酷い事に気付いており、直ぐにでも家に送ってあげようと考えたが、きっとシュウの事だから素直に帰らないし

    帰したとしても、この状態のシュウが上手く寝る事が出来ない事は分かってた。



    出会った時の割と初めから、オーバーワークで時々こうなるシュウをルカは気に掛け、注意する様に見ていたが最近は本当に忙しく、シュウのそれに気を回せるほどの思考と配慮が足りていなかったことに、酷く悔やんだ。

    頼るのも、素直になるのも下手な好きな子に、どんなに忙しくてもせめて一言「大丈夫?」と声を掛けるべきだった。

    (本当は、一緒に暮らせればいいんだけどな)

    生憎、今のルカにそれを直接言える勇気はなく
    隣で安らかな顔をしたシュウを起こさない様に

    「……俺も色々耐えてるんだから、これくらい許してよ」

    横抱きにして、額に触れるだけのキスをこっそり落として寝顔を見詰めてれば

    「…………ん、るか…」
    「えっ、!?」

    起こした!?と焦って離れるが、寝言でふにゃふにゃ笑いながら幸せうに眠っているだけのシュウに、ホッとしつつも

    「………夢の中の俺は、シュウにどんなこと言って笑わせてるの?」

    少し嫉妬しながら、問い掛けるがもちろん聞こえてるはずも無く

    「………俺と一緒に暮らそうよ、シュウ」

    現実の俺の方が、シュウの事たくさん笑顔にできるし、眠れない時も、寝てる時もこうやってずっと傍にいるよ。


    届くはずの無い想いを、せめてちょっとでも夢の中に居るであろう自分に勝てるように念じながら

    眠るシュウの体を抱き締め直し、ルカも少し一緒に眠ろうと

    目を閉じた。








    この日二人が見た夢は、一緒に手を繋いで見慣れない道を歩きながら家に帰る夢を見たらしい。








    きっと、それが正夢になる日もそう遠くは無いのだろう。

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