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    おまめさん

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    おまめさん

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    現パロ
    中一💛と中三💜♀
    ヤキモチがテーマだったけどズレていくよね〜
    ※女体化注意!

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    #mafiyami

    るかしゅ♀ ヤキモチ
     窓から夕陽が差し込む放課後、職員室に呼び出されたルカは、用事を終えて下駄箱へ向かう廊下を歩いていた。
     早く帰ってゲームしたい。今日は付き合ってくれるかな。もう家についてるかな。
     隣に住む幼馴染に絶賛片思い中のルカの頭の中は、もう彼女のことでいっぱいだ。学校では二学年上ということもありなかなか会えないが、放課後はほぼ彼女の部屋に入り浸っているのだ。るん、と鼻歌を歌いかけてたが、空き教室から話し声が聞こえて、慌ててやめた。
    「エロいやつな〜、他に誰かいたかな」
    「もう結構出たよ」
    「だよなぁ」
     なんて下品な話題だ。ルカは眉に皺を寄せた。こんなの聞いちゃったら、女の子にも失礼だ。早く通り過ぎよう。
    「あ、あれは?ヤミノ」
     …と思ったのに、聞き覚えのありすぎる幼馴染の名前に、ほとんど反射的に足を止めた。聞いちゃいけない、とわかっているけれど、彼女が周りからどんな評価を受けているのか気になって、ルカはその場から動けなくなってしまった。
    「えー俺結構好き。真面目そうで逆にエロい」
    「わかる。なんかあんま派手じゃないから見落としがちだけど、全然イケる」
    「うん。スタイルいいしな。胸もいい感じ」
     かっと、頭に血が上った。話しているのは先輩だろうけれど、ルカには我慢できなかった。
     半開きになっていた扉を勢いで開ける。ガンッと大きな音が鳴って、中にいた生徒が三人、驚いてルカの方を見る。
    「シュウは…っ!シュウはオレのだ!変なこと言うな!」
     ルカは顔を真っ赤にして、大声を張り上げた。ぽかんとしていた生徒が、立ち上がる。もっと文句を言ってやりたかった。けれど、昂った感情が涙になって出てきそうだった。
     誰おまえ、と聞かれ、答えもせずにルカは廊下を走り出した。あんな奴らに涙を見られたくなかった。
     シュウを侮辱する奴らが憎らしい。でも、自分には何をする勇気もない。それが、悔しい。
     感情の整理もできないまま、ルカはそのまま走って、走って、走って、気付けば幼馴染、シュウの家の前にいた。
    「………」
     チャイムを押そうとして、躊躇う。ルカは、自分が今どんな顔をしているかわからなかった。今日は会わずに、自分の家に帰ろうか。会いたかったけど、心配されるのも嫌だった。
     指を引っ込めて歩き出そうとした時、二階から、「ルカ」と名前を呼ぶ声がした。ルカは顔を上げる。シュウが、窓を開けてこちらを見下ろしていた。
    「シュウ…」
    「もう来るかなと思って窓開けたら、ちょうどいるんだもん。びっくりしちゃった。今鍵開けるね」
    「………」
     シュウの頭が引っ込んで、窓が閉められる。うう、シュウが来ちゃう。帰ろうかな、帰るなら今だ。最後のチャンスだ。でもやっぱり会いたくて、シュウの笑顔が見たくて、動けない。
     結局何もできないまま、玄関扉が開けられる。制服、セーラー服のままのシュウはいつも通りの笑顔を覗かせたが、ルカの表情を見てすぐにそれを引っ込めた。
     靴を履いて、すぐにルカの元へ駆け寄った。
    「どうしたの?ルカ、泣いてるの?」
    「…泣いてない」
    「うそだ〜。…まあいいや、あがって。部屋行こう、ね?」
    「………」
     ルカが無言のまま頷くのを見て、シュウは微笑んでルカの手を取った。(家に上がって、キッチンに寄って、シュウが二人分のお茶をグラスに注ぐのに手は離されたけれど、ルカはシュウのセーラー服の裾を握っていた)
     二人でシュウの自室に向かう。女の子っぽさはあまりないシンプルな部屋は、いつも片付けられていて、ルカにとってはすごく居心地が良かった。
    「……………」
     けれど、それだけで機嫌がマシになるようなことはなくて。
     シュウはローテーブルにグラスを置いて、その傍に座った。とんとん、と自分の隣を軽く叩いて、ここに座ってとルカに伝える。けれどルカはそれを無視してシュウの後ろに腰を下ろして、そのままシュウの腰に手を回し、抱きついた。
    「わお」
    「………」
    「どうしたの。甘えたさんだね」
    「………」
    「ルカ〜?」
    「………」
    「泣かないで」
    「…泣いてないもん」
    「んはは、ああそう」
    「………うぅぅううぅう」
     シュウのことをそういう目で見ている輩がいるなんて、ルカには想像できていなかった。シュウはいつもルカを一番に考えてくれていたし、ルカもそうだった。それが当たり前だった。だから、シュウの周りの人間のことなんて頭が回っていなかったのだ。
     いつも一緒にいると思っていたけど、シュウにはルカの知らない友達がいて、ルカの知らないクラスメイトがいて、ルカの知らない生活がある。
     気付いてしまった。シュウは、ルカだけのものではなかったのだ。地球がひっくり返ったような衝撃だった。
     大きな目をさらに見開いて、シュウを見る。シュウはいつも通り、危機感のない顔でンヘヘと笑った。
    「〜〜〜〜っ!ねえ、シュウ!好きなんだけど!」
    「んはは、知ってるよ。僕もルカ好きだよ」
    「も〜〜〜違うよ!オレだけのシュウになってってこと!」
    「なになに、わかんないよ。どういう意味?」
     まるで伝わらない。ルカがまだまだ、シュウにとって子どもだから。
     「とりあえず元気になったみたいだしゲームする?」なんて呑気に話し出すシュウを見て、ルカは決意した。絶対大きくなって、かっこよくなって、シュウを惚れさせる。そして、あんな奴らに、オレの彼女をそんなふうに言うなって言ってやる。
    「シュウはオレが守るからね!」
     大きな決意を宣言したけれど、シュウは完全にゲームモードに入っていて、「嫌だよ、僕も戦う」と流されてしまった。
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