監おばぶろ回想台本ユウ:人生とは質の悪い演劇だ。
何かのコミュニティに属するたび、嫌な役を押し付けられる。
そんな最悪な慣習は、異世界に来ようが変わらなかった。
【回想①】
ユウ:ぅわ!(背中に熱い衝撃)
ハーツラビュル生:悪いな~監督生、遊んでたら魔法のコントロールミスっちゃってww
オクタヴィネル生:わ~血が出てる! 異世界人の血もちゃんと赤いんだなw
ハーツラビュル生:おい逃げんなよ~何でもない日のパーティ―の雑用手伝えよ、監督生ならw
クロウリー:グリムくんが浪費するからマドルの支給をもう少し多くしてほしい? 何言ってるんですか。貴方のとこの寮生でしょう、それくらい管理しなさいな、監督生でしょう。あーこれだから扱いづらい子は。
ユウ:私はいつも、「扱いづらい変わった子」だった。
「監督生」それは魔法の言葉。
私という存在を、なんでも任せられる人形に仕立てる魔法。
丸腰同然でオーバーブロットの相手をさせるのだってお手の物。
分かってる。
群れの異分子は、排除される。
魔法が使えない私は、いじめられる。
【回想②】
イグニハイド生:おい聞いたか、監督生がうちの寮長の家の養子になったらしい。
ディアソムニア生:えー、じゃあイグニハイドに住むのかな? 何とは言えないけど捗りそうじゃん。
イグニハイド生:いやたしかに顔は悪くないけどさ、なんか嫌じゃん、禁術使って見た目変わった異世界人なんて。
ディアソムニア生:確かに。しかも変なユニーク魔法使うんだろ? お前、とり殺されるかもなw
監督生:……。
正直者は馬鹿を見る。
私は、ずっと笑顔でいることにした。
すべては、身を守るために。
そして、認められるために。
【回想③】
スカラビア寮生:なあ、ローズ・ノワールって知ってる?
ポムフィオーレ寮生:ああ、最近オーディション番組出てるやつ? あの子、演技は悪くないと思うけどさ……なんつーか、演技以外のときの顔が全部一緒に見えるんだよ。
スカラビア寮生:それな。にこ、って口角上げた笑顔だよ。
ポムフィオーレ寮生:きっと演技以外には興味なんかないんだろ。きっと心を許せる友達とか家族とか、一人もいないんだろうな。
相手の理想を演じればみんな平和に、みんな幸せに、なるはずなのに。
どうして私は認められないの?
本当は可愛い制服だって着たい、皆みたいに好きなだけ魔法を使ってみたい、普通の女の子として生きたい。
私は、ワタシとして生きていきたい!
あれ……どうしてこんなに、心が痛むの?
きっと自分にも他人にも嘘をつきすぎて、本当の自分が分からなくなったんだ。
今の私がどんな気持ちなのか、どんな顔をしてるのかすら、わからない。
ねえ、ねえ、教えて。
わたしは、だれ?
グリム:ユウ!