三人遊戯3Pしないと出られない部屋
これだけが書かれた紙がベッドに置かれている。
部屋の真ん中の部屋にドンと置かれた丸くてでかいベッドは、ビニールプールを思わせるが、男3人が乗っても余裕があるくらいでかい。
(ついにきた、同人誌的展開……!)
俺は正直ちょっとだけ、いやかなりワクワクしていた。左馬刻が二人もいるなら最高だろ。ありがとうしかない中王区(?)
右に左馬刻、俺が真ん中、左に左馬刻。
左の方が本物っぽいとかは置いといて、セオリーなら年齢の違う左馬刻が来るんだろ。どの年代の左馬刻がくるのか、俺は正直楽しみしかなかった。
顔がにやけると、人はみなゲンドウみたいにいなんだな。手元を隠すお馴染みのポーズ。俺はニヤける顔を隠してベッドに座っていた。
ガチャリ
誰が入室してきた。ドアノブが動く。ついに待ちかねた、左馬刻が。
予想通り、現れたのは23の俺の初恋のオールバックの左馬刻さん、19歳の俺にとっておなじみアロハの25歳の左馬刻、そして未来っぽい少し枯れてエロさが増した年上の左馬刻はスーツ姿だ。やっぱり腰とケツが細くてエロい。
………あれ?
一人多くね?3pなのに、4人。左馬刻が3人いるけどどうする……?
三人はそろってベッドに置かれた指示書を見ている。
全員が目を合わせた。
「悪いけど左馬刻のうちの誰がか一人が、見て参加……」
俺の言葉は遮られた。
「んな訳ねえだろ」
声がハモってどの左馬刻が言ったのかわからない。
わからないけど、意見は総意だったらしい。
3人の左馬刻に囲まれた。
みんな俺より1cmだけ背が高くて、何より顔がいい。
「いちろーくんはいいコで見てな♡」
まさかの俺がハブられた。俺が竿役じゃねえのかよ?
椅子に座らされて、縛られている。
「その椅子、動いて体重メーターが一定以上に減ると電流、流れるぜ」
どこの朝のバラエティ罰ゲーム仕様だと言ってやろうか。
まさかのネコちゃん3人ショーが繰り広げられる。
眼福だけど、チンコには苦しい。
左馬刻達は、自分に自分にモン突っ込むのは気分が悪いのか取り出したのは双頭バイブ。流石なんでもある部屋。まあ浮気じゃないからいいのか。
神様同士の目合いか、百合か。神話の世界みたいな神々しさがある。白銀の髪に白い肌、白いシーツ、純白と銀の世界の中で左馬刻達とが睦み合う姿に俺の目がくらみかける。
1秒たりとも見逃したくないと思わせる時間なのにキィとドアの開く音がした。
戦隊モノの定番なら、ここで追加加入だろ?
目をやっても誰もいない。あれ?まさかのルームサービスか?
「ダボ、オレサマはここだ」
脚を小さい傘で突かれた。痛くないように丸い穂先でよかった。
小さい左馬刻がいた。
緑色のカッパを着た、赤い瞳のかわいい少年の姿は左馬刻の面影はそのまま、かわいいの四文字しか語彙が生まれない左馬刻様だ。
「オレサマも観戦してやんよ」
椅子に拘束されている俺の膝に、ぴょんと身軽に乗られた。
左馬刻が子供を産んだら(?)こんな可愛い子ができるんだと感慨深くて、かわいさでさっきまでキツかった勃起が収まってきた。
「おい、なんで小さくしてんだよ。せくしーなオレサマに発情しねえのか」
「セクシーって。俺、ショタ属性ないから」
「ふうん」
「子供にするわけないだろ」
どうみたって小学生ぐらいの左馬刻に欲情はできない。守ってやりたくなく兄心が芽生えるぐらいだ。
「ならこれはどうだ」
ショタな左馬刻は不敵に笑った。
畳んでいた傘を魔法使いの杖のように、回すとまた扉が開いた。
「ああ?ここどこだ」
グレーのカーディガンを羽織った学生服の左馬刻が現れた。まさかこれはパラレルワールドの高校生の左馬刻……?
「これなら、3Pできんだろ?」
……人数合わせはできた。違う!やばい、助けて!!
「がんばれがんばれ♡」
どの左馬刻の応援なのか。
ベッドというステージに上げられた初々しい高校生の左馬刻と、エッチで子悪魔の小学生左馬刻と俺の3pが始まる??
どこからかラウンド2を告げるゴングが鳴った。
高校生な左馬刻は細い。しかも、
「経験あんの?」
俺が聞いたら目をそらしてボソボソと答えた。
「どっちも……ねえ」
なんだよそれ。羞恥心のある高校生の左馬刻は。カーディガン萌え袖で恥ずかしそうにしてる。
(かわいい……)
「オレサマも!オレサマも処女!!」
ショタサマは堂々言うけど流した。
「アンタとはやらないから」
「イモひいてるのか?」
「ガキの相手はしない」
まさかこのセリフを左馬刻に言うとは思わなかった。
「ならキスは?」
「そんくらいなら……」
あんまり相手しないとなにしでかすかわからないから、キスで誤魔化せばいい。
「ん」
突き出した頬に軽くキスをした。ショタ左馬刻はこんぐらいでいいだろ。
「いちろーおにーちゃんよぉ。3Pする部屋で生ぬるいことやってんじゃねえよ」
「さっさとエロいキスしろや」
「俺様達を楽しませてくれんだろ」
全員ピュアとか羞恥心が失われてるのか、左馬刻達は缶ビールとツマミを調達してきえ。飲みながら囃し立てられててきた。
「やんねえと、俺様達の誰が代わってやるからな」
「やるから!」
覚悟を決めてもらって、目をつぶった高校生の左馬刻とキスした。
左馬刻の唇はレモンの味がした。苦くて爽やかな良く知った香り。
「いちろうと学校でキスするチャンスあるかと思って香り付きのリップにしてた」
「おう……」
俺も高校生の左馬刻も照れるしかない。ファーストキスがレモン味とか青春だろ。アオハルでいいのか。
今更ながら背徳感が生まれて、これからの本番に俺は恐れ慄くしかなかった。