お題ではるなが相手の睫毛になにか付いているように見えたのでよく見ようと顔を近づけたら、どぎまぎしながら目を閉じられた。え、キスしていいってこと?
−お題 今日の二人はなにしてる?
晴永で/FGO
「じゃあ帰るとすっか。大将!」
発生した微小特異点での攻略が終わり、マスターと共に転移していた永倉新八、武田晴信はカルデアへ帰還することとなった。
任務遂行中から時間が経ち、周りはすっかり夜明けだ。
景色は朝へ移り変わり日が登ってゆく。
「綺麗だなぁ。いい天気だ。」
照らす朝日を眺めて、新八は微笑む。任務完遂後で気分が良いのであろう。
そんな彼の横顔を、隣から眺める。
新八の元々色素の薄い髪も、稲妻のような傷跡が残る顔も、蒼い龍の奔る上着やペンダントも、陽の光できらきらと照らされている。
それでふと、彼をもう少し間近でみたくなったのだ。彼の肩に手を置き、顔を覗き込もうとする。
「大将?…っ」
ん、と気配を感じた彼が晴信の方へ振り向けば、既に晴信は上体を傾けてその端正な顔を近づけていた。
晴信と恋仲とはいえ、未だに新八はこうした予兆のない唐突な接近には慣れないでいた。
驚いてその場で身動き出来ないでいる間も、距離は縮まっていく。
やがて何を思ったのか、新八はぎゅっと両目を瞑った。
もう少し近くで只眺めたかっただけなのだが、
新八の様子に可笑しくなりながらも、これもまたいい機会だと、愛しい彼へキスをする。
やはり睫も日の眩い光を受けていた。
触れるだけの軽い口付け。
そのまま数秒が経ち、ゆっくりとした動作で唇を離す。
顔を赤らめ、明らかに動揺している彼をみつめてフッと微笑んだ。
「そうだな。いい眺めだ。」