メイクの魔法は有料でした「シャチ君って意外とまつ毛長いのね~。マスカラ載せたらもっと映えそう」
「本当ね。それに貴方、いつもサングラスしてるから気付かなかったけどアースアイだったのね。とても綺麗」
「はあ……ドーモ……」
ドレッサーの前に座らされ、顔やら髪やらあちこち弄られながら、俺は身動き一つ取れずに彼女たちの言葉にただ頷く事しか出来なかった。
ここはいつものポーラータング号ではない。麦わらの一味の船であるサウザントサニー号である。
麦わらたちと合流するって日に限って俺の女になる病が再発し、それを麦わらの船の女性陣に見つけられてしまったのがつい二時間ほど前。
あれよあれよと女子部屋に連れていかれ、散々着せ替え人形にされた挙句にドレッサーの前に連れていかれ、今こうしてファンデーションやら何やら塗りたくられている。
4924