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    kuusui

    @kuusui

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    kuusui

    TRAINING本丸で光忠のお兄ちゃんの歓迎会が開かれ、そこで日本号との回想が繰り広げられて、それを大倶利伽羅が目撃したというIFくりみつ。光忠回想も合わせて目撃しています。
    梅の木で逢いましょうのお話の続き。
    拗らせ大倶利伽羅さんがその特別に気付いちゃったお話。

    ※ちゃん呼びを最初は嫌がっていたという捏造を含みます。
    ※同室くりみつのいるとある本丸設定のお話。
    梅の木で逢いましょう 04 俺の好きな奴には、その両手で抱きしめるほどの世界がある。
     朝起きておはようの声とともに、腹の減るような米の匂いがする。飯椀を無言で押し付ければ、にこやかな笑顔とともに炊き立てのご飯がこんもりと返って来る。アイツが洗濯物を干せば、調子の外れたよくわからない唄を口ずさむ。あまりにも楽しそうなのでそれを茶化すものもいない。
     そのあたたかな、郷愁すら呼び起こしそうな温もりのあるやさしい世界。それはアイツにはよく似合っていると心から思う。光忠はそんな世界に必要とされている。
     だから――そんなお前の、”世界”を取り上げることができたらなんて。
     俺は一体、何度その傲慢を思い描いて来たことだろうか。
     
     
     活気のある宴会部屋を離れ、縁側の廊下を伝って静かな自室へと帰って来た。
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    kuusui

    PROGRESSスープジャーのくりみつ02
    保温できるスープジャーはいいぞ!という番宣の影に匂う現パロ会社員くりみつのお話。大倶利伽羅さん本人は出て来ないので燭台切呼び。続き物で今回は光忠さんと新入り天江戸組のミネストローネと豆乳スープのつけめんのお話。ミーハー水心子君と観察者清麿君。
    ※ スープの具とか味描写が後で書きなおす時に変更される可能性があります。
     清麿は人の観察が好きである。特に水心子のような人の心の観察が好きだ。
     会社で同僚でもある水心子は、純朴だと清麿は思っている。志が高く自分をいつも律していて硬い表情が目につくかもしれない。そして生真面目で気位が高い嫌いもあるが、彼が頑張っている背中を清麿は好んでいる。反面、その中身はとてもミーハーだ。理想の自分であらねばと願うばかりに、それを体現している存在に非常に弱い。
     例えば職場の先輩、燭台切さんがそうだ。入社したばかりで一通りのレクレーションが終わり、同じ部署に運よく水心子と配属された。そこの教育担当として面倒を見てもらっているのが燭台切さんだ。
     最初は頑なだった水心子ではあったものの、彼の性格に合わせて先輩はうまく自分を曲げて接してくれた。そのおかげで今はその背筋の通った格好良さに憧れを抱き、半ば崇拝者のように慕っている。自分ではひそかに気付いているものの、水心子の心にはまだ柔軟性がない。だからそれを持つ先輩に憧れ、慕っているのだろう。自分にないものに対してそれを得たいと憧れ、それに嫉妬するのでなくただ尊敬の念を向ける。それは相手へのリスペクトを感じると清麿は思う。
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    kuusui

    PROGRESSスープジャーのくりみつ01
    保温できるスープジャーはいいぞ!という話の影に匂う現パロ会社員くりみつのお話。大倶利伽羅さん本人は出て来ないので燭台切呼び。続き物で今回は光忠さんと御手杵君と乾燥エビと海苔のおかゆ(中華がゆテイスト)のお話。
     会社には色々な人が集まる。それは仕事が出来る出来ないに関わらず、仕事という山を乗り越えるごとに見えて来る素顔のようなものかもしれない。
     御手杵はこの会社に勤めて数年経っているが、大抵の人とはすぐ打ち解けられる性質を持つ。御手杵自身は大して仕事はできないと思っている。けれど気安く怒られたり、また困った時に拝み倒したりといったことを繰り返すうちに、元々の気質もあってそういうタチになってきたのかもしれない。けれど同じフロアにいる違う部署の二枚目の先輩、燭台切さんとはいまいち馴染めない。
     燭台切さんは美術品のように整った顔を持つ、いわゆるイケメンという奴だ。青鈍色を纏う美しい黒髪がその右目を隠しており、浮世離れした美貌からどこか近寄りがたさを御手杵は勝手に感じてしまう。けれど彼とたまたま目が合ったりすれば、人好きのする顔で気持ちのよいほどよく笑ってくれる。だからきっと普通にいい人なのだと思う。問題はその後だ。
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