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    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せれるもんじゃない)のんびりまったり上げたりします。

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    結月(ゆづき)

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    ③拉致されて実験される(自由軸のイザキラ)です。

    #イザキラ
    #SEED

    性癖パネル③拉致されて実験される(自由軸のイザキラ) 「は? クライン総裁、今なんと?」
    ザフト軍情報将校の執務室でイザークは通信先の相手に訪ねる。

    『はい。昨日からキラの行方が分からなくなっております。私もミレニアムからの報告を受け、手を尽くしましたが⋯⋯』
    通信先の相手であるラクスの表情は暗い。恐らく休む事もなくコンパス本部で情報を集めているのだろう。

    「⋯⋯キラの、ヤマト准将の昨日の足取りは?」
    『ミレニアムのコノエ艦長からの報告では、コンパスにあるコロニーから助けを求める通信が入り、そこへ隊長であるキラと強い希望でシンがそちらへ向かったそうです』
    「⋯⋯ふむ。それで、アスカ大尉は?」
    『シンはミレニアムへ戻っています。コロニーの救援を終え、ミレニアムに戻る前にキラが単独でどこかへ向かったと報告を受けております』
    「⋯⋯」

    イザークは思わず眉を寄せる。なぜシンはキラの単独行動を許したのか。いや、恐らくはシンは引き下がったのだろう。キラがそれを許さなかったのか?どっちにしろシンに話を聞く必要があった。

    「分かりました。ヤマト准将の行方は我々で調べ対処します。だが、キラが戻らない場合はどうなさるつもりですか?」

    隊長であるキラはコンパスの要でもある。准将という立場もあるキラは、コンパスの総指揮官でもあるのだ。そのキラが抜けている間は誰が穴埋めをするのか気になった。

    『そちらは問題ありません。カガリさんから、ターミナルに居るアスランを、キラが戻るまで貸し出して下さることになりました』
    「⋯⋯了解した。」

    まぁそうなるだろうことは分かりきっていた。奴がキラの事を知れば、オーブ代表に言われるまでもなくこちらへ合流してくるだろう。はっきり言ってキラの事が絡むとあいつは面倒くさい。
    だが、キラの行方が分からないのは由々しき事態だ。イザークとて心配が尽きない。最近のキラは何処か思い詰めているように感じた。直接会えてはいないが、情報のやり取りで通信はしていたが、その時のキラの表情は焦りのような物が見えた。あの時は何をそんなに焦っているのかと思ったが、変わらない世界情勢にどんどん疲弊していたのかもしれない。
    昔と変らず優しいキラは、自分の中に溜め込んでいるのだろう。早くそれを吐き出させてやらねば、いつか雁字搦めになり身動きが取れなくなる。そうなれば、全ての行動が上手くいかなくなるだろう。

    「⋯⋯無事でいろよ、キラ」
    どこに居るか分からぬキラに、イザークはそう願うしか出来なかった。


    イザークはディアッカを伴いミレニアムに合流した。キラと最後に共にいたシンに話を聞き、キラの行動を把握する為だ。

    「それで、お前はキラに言われてミレニアムに戻ったと?」
    「⋯⋯はい」
    力なく項垂れているシンは、あの時無理矢理にでもキラについて行けば良かったと後悔しているのが見て取れる。
    「⋯⋯大方、キラがすぐ戻るとでも言ったか、命令だとでも言ってお前を引き離したんだろうが⋯⋯お前をキラの隊に預けたのは、こうなる可能性を少しでも無くす為だったんだがな」
    「まぁまぁイザーク。シンだってそれは分かってるだろう。とにかく今はキラの足取りだな。ライジングフリーダムの足取りは?」
    ディアッカがアスランと共にミレニアムに来ていたメイリンに聞く。
    「キラさんの乗るライジングフリーダムの足取りが分かりました。シンが向かったコロニーからほど近い場所に廃棄された小さな衛星があるみたいです」
    「衛星? そんなものが?」
    シンが確認した時にはそんなものは見当たらなかった。キラが離れた時にシンも警戒していた際に周りを確認はしていたのだ。

    「⋯⋯つまり、そこが一番怪しいという訳だな」
    「ですね」

    丁度その時、ミレニアムにコンディションレッドが発動された。シン達はそちらの対応に周り、キラの件はイザークとディアッカで対応する事になった。一時的に隊長としてコンパスを任されたアスランは、渋々ながらもイザークに任せると言い残し、シン達と共に発令先へ飛んで行った。

    ミレニアム内に残ったメイリンから情報を貰い、イザークとディアッカが示された座標へ機体を飛ばす。そこにはコロニーと呼ぶにも、衛星と呼ぶにも小さすぎる物だった。
    警戒しつつ近付くと、数機のMSと交戦することになった。話を聞いた時からどうもきな臭いと感じていたが、嫌な予感が当たったと言うべきか。
    ディアッカと共に中に入ると、まだ他に仲間がいたのか銃撃戦になるも、2人とも問題なく捌いていく。殺しはせず、動きを封じるために足を狙っていく。
    もう他に襲って来る気配も無くなった為、倒れた1人に銃を突き付ける。

    「貴様の知っている事を全て話せ。ここに、キラが居るな?」
    「⋯⋯さ、さぁ? なんの事か⋯⋯」
    目を泳がせ誤魔化そうとした男に、イザークは冷たく言い放つ。
    「⋯⋯死にたいのか?貴様1人死んだ所で聞けるやつは居る。俺は気が短い」
    ピリッとした殺気を感じた男が慌てて口を割る。
    「ひっ! わ、分かった! 全て話す! だから、命だけは!」
    「⋯⋯キラはどこだ?」
    「⋯⋯この奥に」
    「他に貴様らの仲間は?」
    「居ない! ここに居るやつが全てだ!」
    「⋯⋯そうか。ディアッカ、こいつらを縛っておけ。後はシホに連絡を入れて、こちらへ艦を寄越すようにしろ」
    「了解。まぁもうシホに連絡は入れてるから直ぐに合流出来る筈だぜ?」

    イザークの事をよく分かっているディアッカは先手を打っていたのだ。
    「⋯⋯ふん。俺は先にキラの所へ行く」
    「あぁ、頼むぜ」

    この場をディアッカに任せイザークは奥へ向かい、そこで見た光景に目を見開く。

    ゆっくり歩いた先には、液体で満たされたポット内に入れられたキラだった。

    病人が着ているような簡易な物を身に纏い、身体のあちらこちらにコードが伸びており、ピッピッと電子音が規則的に鳴っている。
    意識が無いキラの口からはコポコポと空気が出ている為生きている事は確認出来る。だが、あまり状況は良くは無いとイザークは眉を顰める。

    兎に角ここからキラを出す為、ポット下にある機械を操作する。ゴポゴポと音を立てながらポットを満たしていた液が下から抜けて行く。半分抜けた辺りでポットの扉が開き、キラの身体がイザークの方へ倒れる。
    抱き留めた身体の余りの軽さに眉を顰める。この軽さは昨日今日のものでは無いだろう。それよりも。
    キラの身体に付けられていた器具を取り外す。見る限り外傷は見当たらない。だが、目を覚ます気配のないキラに不安が襲う。

    「⋯⋯キラ」
    名前を呼ぶも、力の抜けたキラからは反応が返って来ない。とにかく早くここからキラを運び出す必要がある。
    「イザーク! こっちはシホと合流していつでも出られる。総裁やミレニアムにも連絡は入れた」
    「とにかく早くここから出るぞ!」
    近くにあったシーツで濡れたキラの身体を包むと、細身の身体を抱き抱える。

    奴らの事はシホとディアッカに任せ、イザークはキラを抱えたままミレニアムに合流した。
    先立って連絡を受けていたミレニアムの医師が格納庫で待機しており、意識のないキラを医務室へ連れていく。
    アスランやシンにはメイリンから連絡入れて貰い、ラクスにはイザークから連絡を入れてた。
    アスランやシンは終わり次第ミレニアムに戻ってくるが、ラクスはミレニアムがアプリリウスへ戻れるように調整を行う為、イザークにキラをお願いしますと言って通信を切った。

    艦内では身体を診るにも限界がある。早めにアプリリウスの医療機関にキラを診てもらった方が良いだろう。
    未だに目を覚まさないキラの手をイザークが握る。
    「⋯⋯早く目を覚ませ。いつまで心配掛けさせるつもりだ、お前は」
    窶れて見えるキラの頬に触れると、キラの閉じた瞼が動いた。
    「⋯⋯ん⋯⋯」
    ずっと反応の無かったキラが目を覚ます。

    「⋯⋯イザーク⋯⋯? ここ、は」
    ぼんやりしているキラはイザークの名前をハッキリと言った。取り敢えずは安心出来た。

    「⋯⋯全く、報告を聞いた時は肝を冷やした」
    「⋯⋯ごめん。僕⋯⋯」
    「無事ならそれでいい。詳しい話を聞かねばならんが、とりあえず」
    言葉を切り、不思議そうな顔をしたキラの口にキスを落とす。軽くした後に顔を離すとキラの顔が赤くなった。
    「なっ! イ、イザーク!?」
    「俺を心配させた責任は取って貰うぞ?」
    「え? え?」
    狼狽えるキラにもう1回キスをした。


    その後戻ってきたアスランとシンも医務室に押し掛けてきて、シンに至ってはキラの姿を見て涙ぐんでいた。
    「⋯⋯ごめんね、シン。僕が勝手な事したから」
    「いいえ!俺がちゃんと隊長を止めなかったから!」
    「それで? 一体何があったんだ、キラ」
    「う、ん⋯⋯あの後⋯⋯」

    ポツポツとキラが話した内容は、コロニーでの救難活動を終えた後に嫌な気配がして確認の為にライジングフリーダムで向かったとの事だった。そこであの衛星を見つけて、用心をしながらライジングフリーダムから出て、建物内に入ったらしい。
    なんで白兵戦がからっきしなのに無茶をしたんだとアスランは怒ったが、キラは黙り込む。

    入ったら特に何も問題もなく人の気配も無かった為、フリーダムに戻ろうとした矢先に潜んでいた奴らに薬を嗅がされ意識を失ったらしい。その後の事はキラも覚えていないようだった。

    「⋯⋯とにかくミレニアムはアプリリウスに戻るようにと連絡が来ている。そこでキラは一度しっかり診てもらう」
    「大丈夫だよ⋯⋯特に身体に違和感もないし」
    キラはなんでもないとばかりに言うが、アスランもシンもダメだと口を揃えた。

    「キラ。お前今体重は?」
    「え?」
    「明らかに以前より痩せたな? 俺を騙せると思うなよ?」
    「⋯⋯」
    バツが悪そうにキラは顔を背ける。

    「シン、キラのここ最近の食事状況は分かるか?」
    「あ、はい! 以前言われていた通りに記録を取ってます」
    「え!? 記録って、なにそれ!」
    「やかましい! どうせお前は誤魔化すだろうからな! 事前にシンに命じて正解だった。お前は無理をし過ぎだ。良い機会だ。少し休め」
    「でも、それじゃあコンパスが」
    「俺がしばらく補佐する。お前の身体が皆心配なんだ」
    アスランからも言われるとキラに勝ち目は無い。

    それからアプリリウスに着いたミレニアムは少しの休暇に入り、キラは検査を受けることになった。
    検査結果として、捕らえられていた間に何らしかしらの役物を投与された様だったが、キラの身体は特に問題もなく、その薬も既に体内から抜けた様で安心したのだった。

    その後キラは心配したラクスに泣かれ、イザークにこってり絞られ、宣言通りイザークへ責任を取らされたのだった。



    性癖パネル③拉致されて実験される(自由軸のイザキラ)でした!実験⋯⋯された?拉致されてポットに入れられるのも癖なので、キット許して貰えるよね? さかもとさん、リクエストありがとうございました!イザキラだと言い張る!
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    DOODLEIF設定の種運命時のイザキラに到るはずのお話。
    ・捏造設定多数あり・シホについてはほぼ捏造・公式男女CPは基本的に準拠・ヤキン後イザキラ顔合わせ→終戦条約締結までアスラクキラがプラントにいた設定・イザが議長に疑念を抱くことからラク暗殺がおこなわれずに話が展開する。完結してない。できるかもわからない。
    軍人になれなかった男(仮題)(イザキラ)序章


     痛い! 痛い! 痛い! そう叫ぶ己の声を忘れない。焼け付くような痛みを忘れない。己の血が玉となって無重力に舞うのを忘れない。何一つ忘れはしない。
     アカデミーで切磋琢磨した友人がいた。その友人らと将来を有望視され、クルーゼ隊の一員になった。戦場を知らないこどもであった己は、この友人らと終戦を迎えるのだろうと思っていた。友人らの中でも、己と憎らしいことだがアスラン・ザラは白服を纏うことになる。そうして国防の担い手となるのだと思い込んでいた。しかしそんな空想など、戦場に出るなりすぐに打ち砕かれてしまった。ラスティ、ミゲル、そしてニコル。どうして彼らは死なねばならなかったのだろう。彼らも国を守りたいという志を持った志願兵だ。ニコル・アマルフィなど己より二つ下の一五歳でピアニストとしての才能を有した、やさしい少年であった。争いを好まず、反りの合わないアスランと己との些細な衝突でも、いつも仲裁に入るような少年だった。なんで。何故だと目の前が真っ赤になった。込み上げ溢れ出す涙の熱さで頬が焼けるかとさえ思った。けれどそれが零れ落ちてしまえば、残るのは冷たさだけでそれは憎しみによく似ていた。
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