「ねぇねぇ、アスラン、聞いてる?」
幼年学校の宿題をしていると、早くも飽きたのかキラが話し掛けてきた。
「なんだよ、キラ。早く宿題終わらせないと遊ぶ時間無くなるぞ?」
「分かってるよー! でも気になるんだもん、仕方が無いだろ?」
むぅとむくれるキラの顔に、やれやれと溜息を吐く。
「⋯⋯分かった。それで? なんだって?」
「むぅー! やっぱり聞いてないんじゃん!」
「ごめんって。今度はちゃんと聞くから、教えてくれないか?」
これ以上キラの機嫌を損なうと口を聞いてくれなくなるから、どうにかしないと。
「だから! アスランの好きな子のタイプってどんな子なの!?」
「⋯⋯はぁ。何を言い出すのかと思ったら。」
「だってみんな話してるんだよ!? アスランの好きな子のタイプが知りたいって! 僕にまで聞いて来る子がいるんだから!」
「はぁ? お前に聞いてくる奴もいるのか!?」
「え? う、うん」
まさかキラにそんな事を聞く奴がいるなんて思ってなかったから驚いてつい声が大きくなった。キラはびっくりして目を大きくしている。
「⋯⋯で? お前はそんな事聞いてどうするんだよ。聞いてきた奴に教えるのか?」
「え、いや、別に。ただ純粋に気になっただけで⋯⋯」
目線を泳がせるキラにアスランは少し思案する。
多分キラの言った事本当だろう。誰かに頼まれて聞いているんじゃなくて、キラ本人が気になって聞いてきたのなら答えてもいいかと結論づけた。
「キラ。本当に聞きたい?」
「え? う、ん。教えてくれるの?」
「教えるのは別に構わないよ。でも、1つ約束して欲しい」
キラが首を傾げてなに?と不思議そうにアスランを見詰める。
「⋯⋯俺の好きなタイプはキラだ」
ハッキリそう告げると、キラは口を半開きにして固まった。
「⋯⋯⋯⋯え?」
たっぷり間を開けてキラが声を出した。
「だから、俺が好きなの人はキラだから」
何度も言わされると流石に恥ずかしくなってくる。だから、早く分かって欲しいと思っていたら、キラの顔が真っ赤に染まっていた。
「⋯⋯そんなこと言ったら、僕、本気にしちゃうから⋯⋯ね?」
真っ赤な顔で上目遣いにそんな事言ったキラはとっても可愛かった。
「本気にしていいよ。俺がキラに嘘付いた事今まであった?」
「な、いけど⋯⋯」
恥ずかしくなったのかキラが俯く。
「キーラ! こっち向いて」
そう言って顔を上げたキラの口にキスをする。
「ちょ、アスラ⋯⋯!」
びっくりして逃げようとするキラの後頭部を手で押さえてまたキスをする。ちゅっと可愛い音を立てて口を離すと、キラは真っ赤な顔で呆然としていた。
「俺の気持ち分かった?」
アスランが笑って言うと、キラはこくこくと頷く。
まだキラも自分も子供だから、キス以上の事はよく分からないけれど、もう少し大きくなったらその時はとアスランは誓った。