光あれ、進捗「独歩!どっぽ、どっぽー! これ見て!」
お風呂に入りに行ったと思った一二三がドタバタと戻ってきた。夕食後に自分の部屋に戻らずダイニングキッチンに居座っていた独歩はここ数年聞いたことがない騒がしさに一瞬何が起こったか分からなかった。
だって一二三は女性恐怖症になってからずっと塞ぎ込んでいたから。最後に賑やかな声を聞いたのはもう4年も前で、あの頃子供だった自分たちは今やすっかり社会の一員になっていた。そんな長い時間を経ても一二三の恐怖症は治っていないのに、一体どうしてこんな弾むような明るい声が聞けたのだろうか。
「なんだ、どうしたんだ!」
あまりの急な出来事にイスから落ちそうになった独歩が体制を立て直して一二三と対峙すると、一二三は腰に巻いていたタオルをそっと開いた。
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