ドーズのはなし体と脳みそが直結していない人間、とはよく言ったものだ。
その訳の分からない文言が世界でもっとも似合うのは、俺たち以外にいないだろう。
女は嫌い、男も嫌い。
だがそれよりも、自分自身が嫌いだ。
無数に居る子供たち。彼らの母親、その家族たち。
みんなが俺を責める。
他でもない、『ドーズ』と呼ばれる、胴体の俺を。
世界中から責め立てられるのが怖くて怖くて。
違う。
違うんだ。
俺のせいじゃないんだ。
責めるべきは、脳みそだ。
……いくら訴えても、だれも耳を貸してはくれなかった。
クレオと、遠山静のふたり以外は。
俺は、ふざけた思考回路をたたえる頭と一体化して、また同じ事になるのが怖かった。
だから地下に潜んでいた……が、それももうできなくなった。
どうしよう、どうしよう、どうすればいい。
ああ、願わくば、誰か。
過去に戻って、こうなった日の俺を、殺してくれ。