とある企業のオフィスにて。
会社員であるフリードはふう、と一息をついてぐっと体を伸ばす。デスクの上には書類の山。
フリードはそれを見て目を細め、くそ、と吐き捨てた。
「ああ……終わらねぇ……」
誰もいないオフィス内、外はすっかり日が暮れていて真っ暗である。きい、と椅子の背もたれに体を預けながらひとり、フリードは虚ろな目をしながらぼうっと天井を見上げた。
この書類の山は上司がフリードくんあとこれもよろしくねと言ってドサッとデスクに置いていったものだ。自分でもできるだろうにやればいいものの、彼は極度の面倒くさがりで人使いが荒く、こうしていつも突然帰り際に仕事を投げて帰ることが多いのだ。
それは決まって自分に投げてくることが多い。
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