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    でこちゃそうどん!

    @cs1wa3

    赤井秀一左右非固定なんでも食えます

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    ※フィクションです
    ※ストーカー行為は犯罪です
    タイトル通りです、完全自己満です

    #赤井
    akai
    #パロディ
    parody
    #ストーカー
    stalker

    シュウがストーカーに狙われる話シュウさん、とネットで知り合ったのは偶然だった。
    僕が好きなアニメ【R&B】のニ次創作の漫画やイラストを投稿しているのをSNSで偶然見かけて、僕がフォローした。
    【R&B】は、長髪で頭が切れる狙撃手のRと、童顔で金髪だけど真面目な情報屋であるB、このニ人がバディを組んで、様々な事件を解決しつつ世界中を旅するという物語だ。

    シュウさんの描く作品は他のニ次創作とは良い意味で少し変わっていて、逆に言うとシュウさんの作品でしかあまり見かけなかった。
    界隈では、キャラクターのRとBが喧嘩したりイチャイチャしたり、時にはコメディみたいなやり取りで事件を解決したり、いろんなパロディでその界隈を盛り上げていた。

    そんな中、シュウさんの作品は一味違って、RがBを監禁したり、RがBの周りの人間を危険に晒してBを脅したり、RがBをストーカーしていたり、Bを自分だけのものにしたりといった内容だった。
    初めてだった、Rの有無を言わさない圧のある表情、Bの絶望した顔、狂った愛情表現、他の作品では見たことがないRとBの関係性がそこにあった。

    僕はシュウさんの作品をrtしたり引用で感想を独り言のように呟いた。
    本人に通知は行くけど、たくさんの通知の中に埋もれるだけだ。認識されるはずもないし、認識されたいとも思ってなかった。ただ、感想を伝えたことで次はどんな作品が投稿されるのか、あなたの作品が好きで、少しでもあなたの作品を待ち望んでいる人がいるんですってことが目に入っていればいいなと思っていた。

    ある日僕は通知欄を見て目を見開いた。
    あのシュウさんから、返信が来ていたのだ。

    『いつも感想ありがとう。』

    たった一言だけだったけれど、嬉しくてすぐにスクショした。この日は浮かれすぎて仕事のミスが多かったけれど、上司に怒られてもシュウさんからの返信を見るたびに頑張れた。
    それから、シュウさんとのやりとりが増え始めた。
    さらに僕も【R&B】で二次創作の作品を描くようになった。描く、と言ってもシュウさんみたいに漫画やイラストは描けないので、文章だが。
    もともと本が好きな僕は、頭に浮かんだ物語を文章として描くことは好きだった。
    初めて投稿した小説は、シュウさんが生み出した【R&B】のRが人喰いモンスターになり、Bがそれの飼い主として監視しつつ世話をしているという設定のもの。
    凶暴なモンスターのRだが、Bの言うことは聞くといった関係性に興奮を覚えた。
    そして嬉しいことに、投稿してすぐにシュウさんから反応をもらえた。

    『まさか君が描いてくれるなんて思わなかった。驚いたが、とても面白かったよ』

    一行だけだったけれど、シュウさんがrtした反響で色んな人に見てもらえた。そして、初めてシュウさんからフォローが返ってきたのだ。
    とても嬉しくて、まだ全然だけど、初めてシュウさんと同じクリエイターとしての土俵に立てた気がした。

    それから僕はいろんな【R&B】の小話やパロディ小説を書き始めた。
    僕はカップリングの地雷はないので、時にはRとBの役割が逆の話も書いた。
    シュウさんからいいねが来ることが嬉しくて、シュウさんの投稿は逐一確認した。たまに仕事が忙しくて見れない時もあるけれど、シュウさんがハムスター好きだったり、シュウさん自身もカップリングの地雷がないこと、芝浜県に住んでいること(僕の県からは遠い)、シュウさんも僕が好きな別のアニメが好きだったことがわかった。

    ところで、この界隈はあまり自我を投稿することが少ない。
    自我、というのは自分の写真や日常、作品に関係ないことを呟くこと、らしい。僕はそれに対して特に何も思っていなかったが、シュウさんがハムスターと一緒に写っている写真を投稿した時、思わず目を見開いた。その時はお昼休みで周りに人がいたため声は出せなかったが、口を抑えてなければきっと大声をあげていただろう。

    初めてシュウさんを見た。
    半分隠れているが、ハムスターを撫でている手は大きく、指は細く長いが男らしくゴツゴツとしていた。
    ぶれているが顔の輪郭はシュッとしていて、肩幅は広く、正直ハムスターよりもシュウさんに目がいってしまう。
    無意識に手が、保存しようと写真を長押ししていた。
    が、『保存しますか』の表示に残った理性がちょっと待てと警告を鳴らし、指が止まる。
    こんなの、今更だがストーカー行為じゃないか?
    作品を保存するならまだしも、シュウさん本人の写真を保存するのはさすがにまずいのでは?でもいつ消されるかわからない。もうニ度と、シュウさんの素顔が見れないかもしれない。
    僕は迷いに迷って、『保存しますか』の文字の下の『キャンセル』を押し、スマホの電源ボタンと音量ボタンを同時に押した。

    ♢♢♢

    僕のタイムラインに、たまにメッセージのやり取りのスクショが流れてくることがあった。
    【シュウさんて意外とおっちょこちょい】
    そんなテキストと投稿されたスクショの内容は、
    『すまん、財布を忘れた』
    『いいですよ〜、駅の近くのカフェで待ってます』
    『…すまない、鞄の下に埋まっていた』
    『シュウさんwwwww』

    「……いいなぁ」

    投稿したのは、クドシン、というアカウント。
    シュウさんと住んでるところが近いのか、よくシュウさんとここに行った、とか、シュウさんと△△さんと遊んでるなう!とか、たまに投稿している。

    「いいなぁ」

    いいなぁ。いいなぁ。いいなぁ。
    気付いたらクドシンというアカウントを見まくっていた。
    どんな人なのか、シュウさんが写っている写真はないか、スクロールする手が止まらない。
    これ以上スクロール出来ない投稿まで遡っても、シュウさんとのやり取りはあっても写真などは無かった。
    結構集中していたのか、四年分の投稿を見ていたせいで目が思い出したかのように痛くなり、目薬をさす。

    「はぁ……僕も芝浜県に行こうかな」

    シュウさんはどんな声をしているんだろう。
    どんな話し方をするんだろう。
    身長は?服装は?香水はつけているのか、アクセサリーは?
    そもそも何歳なんだろう、本名は、シュウ、が付くのだろうか。

    カメラロールのお気に入りフォルダに入っている、ハムスターとシュウさんの写真を見る。
    あの後、夜には写真が消されていた。撮っておいてよかった。いややってることはグレーというかアウトだけど。

    「シュウさん、会いたいな…僕ともラインしてほしい。どんなお仕事されてるんだろう。僕もシュウさんと遊びに行きたい…」

    ふと、シュウさんが投稿した漫画が目に入った。
    その漫画は、Bの部屋にRが忍び込み、ベッドの下に隠れてBの生活や様子を見つつストーカーをしているという話。
    シュウさんが生み出したお話だ。

    「…シュウさんに、やってみたいな」

    その欲望は、酷く簡単に脳へ直結した。
    僕はシュウさんのアカウントの他に、シュウさんとやりとりをしているアカウント全てを洗いざらい調べ始めた。
    最近はこの人とリプライのやり取りがあるなあとか、このアーティストが好きなんだあ、とか。
    芝浜県に住んでいるのは知っている。よくハムスターランドにも行っている、車は持っているのか、電車か。クドシンと遊びに行ったお店は○○駅の近く。△△さんとイベント後アフターしたお店の名前は△△さんの写真に写っている。投稿している時間帯を見て土日休みなのか、平日休みなのか。生活ルーティーンは?何時に起きて何時に寝ているのか。
    唯一シュウさんが写っているハムスターとの写真を画面に映す。部屋の間取り、日の入り方。

    調べたい。シュウさんのことを全て知り尽くしたい。
    シュウさんが描いていた漫画のRも、同じ気持ちなのだろうか。

    この気持ちは、恋心なのか、それとも。




    _________

    あとがき
    _________

    これあえて主観の名前書いてないんですけど、
    零くんだったら可愛いヤンデレさんになっちゃうかなって思ってて、いざシュウに会いに行ったら逆に食われるかなとか思っちゃったんですよね。
    こんなに可愛いフォロワーさんがわざわざ自分の家特定してまで会いにきてくれたなんて絶対食われると思うんです。

    逆にモブだったら、シュウの家特定して観察してたら零くんとイチャイチャしてるシュウの姿にジェラッて零くんに危害加えたりしそうだよなとか、モブの存在に気付いてシュウが制裁下すとか、ひっくり返ってモブシュとかいろいろ分岐点があって止まらなくてあえて主観の名前を明言せずに書いてました。

    なんかあれ、これって…もしかして…?ってなるかもしれませんが、…へへ、ごめんなさい
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