二度目ましての爆音「やっ!」
つんつんと元気いっぱいに空に伸びた頭に向かって悟が話し掛けると、びくっとしたチビはおそるおそるとように首だけ回してこちらを見た。まだ五歳にもなってないだろう。前世で初めましてをした時よりも低い目線に向かってする今世の2度目ましては、チビな恵には衝撃の強いものだったらしい。
悟の陽気な声を聞いて何を思ったのか、「びぇぇぇぁぁ」とすごい勢いで泣き出した。それはもうわんわんと。いやむしろ、エコーがかかってぐわんぐわんいってるかもしれない。「ちょっとなに?」「どうしたんだ」近隣住民がその声につられてわらわらと出てくる。そんな周りの声が聞こえていないのか、恵は顔を真っ赤にさせて力いっぱい悟の前で泣き散らす有様だ。
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