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    駄目田眼鏡/葛蹄

    スタバの甘ぇ飲み物めっちゃ好きなんだがコーヒーの後味への怨念がえぐいのでスタバの飲み物をほぼ飲めないバグ

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    駄目田眼鏡/葛蹄

    PAST狂った過去作から比較的まともな部分を抜き出したのでちょっと尻切れトンボな感じになってます。
    過去作のティムくんの話 旅をしているなかで宿に泊まれることほどありがたいことはない。野宿ではいちいち見張りを立てなければならないし、テントを張らなければならないから。しかし、宿に泊まるなら泊まるで金がいる。労働で立て替えることもあるが、疲れた身体には面倒このうえなかった。
    そんなことを思いながらティムは窓の外を眺めている。視線の先には見慣れた大きすぎる人影、その背中。宿屋の主人と薪の山の前でなにやら話している。やがて主人の手にしていた小ぶりな斧を受け取って粛々と薪割りを始めた。ちょうど『労働で宿代を立て替えている』のだろう。先生もさすがに薪割りにはてこずるんじゃないかとわずかに期待したが、無論期待外れに終わった。なにをする気にもなれなくて、規則的に斧を振り下ろす背中を眺める。距離ゆえか音は聞こえないが、きっと小気味のいいものだろう。慣れていないと小ぶりな斧であってもあんなに真っ直ぐ振り下ろすことはできない。経験があるのだろうか―――などと、とりとめもなくそんなことを考える。ため息をつく。と、同時にドアが鳴る。几帳面なノックが三回。
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