無二の寂しさ、そのねには 日に当たっていても、温かい飲み物を飲んでみても、お湯に浸かってみても、布団を上まで被ってみても、そうして起きてみても、どうにもならない寒さがあって、一般的、日常的に行える身体へのアプローチが大して意味をなさないことがある。
「と、いうのを解決したいわけなんだが……」
農業組合関連でしばらく島を離れていた朔太郎が帰ってきて。荷解きやらが落ち着いたところを見計らってお茶の時間にした。温めたフォンダンショコラを、彼の前に置くと礼を述べて、僕が席に着いてから手を付けていた。こういう時、むずがゆくてなんだか落ち着かない。ナイフを差し込んだ先からチョコレートが溶け出した。
そうして、彼があちらでのことを話しはじめようとするのを遮って、話を切り出した。
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