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    torirakugaki

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。チェズが悶々としてるだけ。■最近の悩み


     ミカグラ島での一件が落ち着いた後、チェズレイとモクマは二人で世界征服という途方も無い夢を目指すことになった。
     まずは下準備から、というわけで今はヴィンウェイのセーフハウスでゆっくり計画を練っている最中。だが、チェズレイの頭の中は相棒のことでいっぱいだった。
     あァ……あの人を抱きたい。
     あの指切りの時に生死を共にする約束を交わしたとはいえ、あの時には心の触れ合いさえあればよかった。それが二人で暮らすうちに、どういうわけか直接もっと肌で触れ合いたいと思い始めてしまったのだ。この、自他共に認める潔癖症の自分が。
     そこまで考えて、チェズレイは書斎の陽光射し込む窓辺に立つと、さきほどモクマが淹れてくれたカフェオレを一口飲んだ。それはこれまで飲んでいたブラックコーヒーにはない優しい風味で、神経が和らぐ気がする。
     あの人はファントムに似ている。だが決定的に違うのは、あの人は自分を裏切らないという確信があるところ。
     でも――あの人はヘテロだし、誰が見ていてもわかるくらいずるくて逃げ癖がある。いっそのこと自分が女装して抱かれればいいのか、なんて考えるが問題はそこじゃない。 871

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。とある国の狭いセーフハウス。■たまには、


     たまにはあの人に任せてみようか。そう思ってチェズレイがモクマに確保を頼んだ極東の島国のセーフハウスは、1LKという手狭なものだった。古びたマンションの角部屋で、まずキッチンが狭いとチェズレイが文句をつける。シンク横の調理スペースは不十分だし、コンロもIHが一口だけだ。
    「これじゃあろくに料理も作れないじゃないですか」
    「まあそこは我慢してもらうしかないねえ」
     あはは、と笑うモクマをよそにチェズレイはバスルームを覗きに行く。バス・トイレが一緒だったら絶対にここでは暮らせない。引き戸を開けてみればシステムバスだが、トイレは別のようだ。清潔感もある。ほっと息をつく。
     そこでモクマに名前を呼ばれて手招きされる。なんだろうと思ってついていくとそこはベッドルームだった。そこでチェズレイはかすかに目を見開く。目の前にあるのは十分に広いダブルベッドだった。
    「いや~、寝室が広いみたいだからダブルベッドなんて入れちゃった」
     首の後ろ側をかきながらモクマが少し照れて笑うと、チェズレイがゆらりと顔を上げ振り返る。
    「モクマさァん……」
    「うん。お前さんがその顔する時って、嬉しいんだ 827

    ▶︎古井◀︎

    DONE春の陽気に大洗濯をするチェズモクのはなし
    お題は「幸せな二人」でした!
    「そろそろカーテンを洗って取り替えたいのですが」
     朝。さわやかな陽光が差し込むキッチンで、モクマはかぶりつこうとしたエッグトーストを傾けたまま、相棒の言葉に動きを止めた。
     パンの上で仲良く重なっていた目玉焼きとベーコンが、傾いたままで不均等にかかった重力に負けてずり落ちて、ぺしゃりと皿に落下する。
    「モクマさァん……」
     対面に座っていたチェズレイが、コーヒーカップを片手に、じっとりとした眼差しだけでモクマの行儀の悪さを咎めた。ごめんて。わざとじゃないんだって。
     普段、チェズレイは共用物の洗濯をほとんど一手に担っていた。彼が言い出しそうな頃合いを見計らっては、毎回モクマも参加表明してみるのだが、そのたびに「結構です」の意をたっぷり含んだ極上の笑みだけを返され、すごすごと引き下がってきたのだった。しかし今回は、珍しくもチェズレイ自ら、モクマに話題を振ってきている。
    「それって、お誘いってことでいいの?」
     落下した哀れなベーコンエッグをトーストに乗せなおしてやりながら、モクマは問う。相棒が求めるほどのマメさや几帳面さがないだけで、本来モクマは家事が嫌いではないのだ。
    「ええ。流石に 3560