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    masasi9991

    @masasi9991

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    masasi9991

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    デググラのファーストキスです

    ##デググラ

    キミとの最初の 疲れてしまって眠れない。まだ身体はじんわり熱いし、鼓動も落ち着いてくれない。こんな夜はキミをしばらく見つめ続けてることにする。
     ブランケットに潜り込むなりすぐに目を閉じて、大きな鼻をぴくぴくさせながら深い呼吸を繰り返す。そんなキミの肩と胸が呼吸のたびにゆっくり動いて、二人で潜り込んだブランケットもゆっくりそっと波打つように揺れている。いつも、それに気付くたびにくすぐったい気持ちになって――本当に、揺れるブランケットの柔らかさにくすぐられているせいかもしれないが、こんななんてことないことで思わず吹き出してしまう。
    「ふふっ」
    「ンぉ?」
    「あ……起こしてしまったか?」
     パチパチ、とキミは力強く瞬きをする。既に浸っていた眠気を覚まそうとしているのか。実に申し訳ないことをした。
     灯りも消した夜なのに、キミの黒い目は黒曜石のように輝いて見える。
    「まだ眠ってなんかいなかったぞ。ふああぁ。……おまえも眠れなかったのか?」
    「ああ。まだ興奮して……いや、落ち着かなくてさ」
    「そうか」
     真剣に頷いたキミが、おれの背に手を回して、きゅっと抱き寄せられた。キミの身体もまだ熱い。じんわりと汗が滲んでいる。そんなことを考えているおれの目の前の本当に近いところにキミの顔があって、やっぱり真剣な瞳でじっとおれを見つめているかと思うと、もっともっと近づいてきて、そのままおれの額に唇を柔らかく押し当てた。
     優しく触れられるとくすぐったい。でもとても強くて熱いキスだった。
    「おやすみのキスだ。夜ふかしは、よくないからな」
    「あっ、はははっ。嬉しいな。なあデグダス、思い出したことがあるんだ」
    「そんなに笑っちゃったらいよいよ眠れなくなってしまうぞ。お喋りも、また明日にしよう」
    「はっはっはっはっは。一度笑いだしたら……あははっ、止まらないんだ。デグダス、なぁ」
     しょうがないな、と言わんばかりにキミもつられて笑って、また額にキスが降る。笑うキミの熱い吐息がキスと一緒に額に当たって、またくすぐったい。笑って、ドキドキして、止まらなくなる。
    「デグダス、初めてキミにキスされたときのことを思い出したんだ」
    「えっ」
     キミは不意を打たれたように驚いて、ぽっと頬を赤くした。さすがにこの暗さでキミの頬の色が変わったのがはっきり見えたわけじゃないが、熱くなったキミの体温がすっかり伝わってくる距離だ。
    「それはえーと、いつ頃だったかな」
    「キミは覚えていないかもしれないが、ふふっ……もう何年も前だ。おれが子供だった頃」
    「むむむ……」
    「キミのところにお世話になるようになってからすぐの日だったな。キミは幼い妹と弟を寝かしつけて、二人の額に当たり前のようにキスをした。おれは部屋の隅でそれを羨ましく見ていて……そのときは羨ましいなんて口には出せなかったし、今だってキミの弟たちに嫉妬するほど聞き分けがないワケじゃないつもりではいるんだが、……そうやって黙ってるおれに、キミは笑顔で手招きして『一緒にお昼寝をしよう』と誘ってくれたんだ」
    「うん。うん、そうだったな……覚えているとも」
    「そうだ。ははっ……四人で使うには小さすぎるタオルケットだったな。キミのあっちに二人、おれはこっち側。今日と一緒だ。どうしたらいいのかわからなくてブランケットからはみ出そうとするおれをキミはそっと近くへ移動させて、じーっとおれの顔を見つめてからおもむろにキスをしたんだ。そ、おでこにな。ふふふ……あのときにはもう、キミのことが大好きだった」
    「ムム。恥ずかしいな。少しな、あのときは悩んだんだ。キスしてもいいのだろうか、と……。いや、まだ小さかったおまえに下心があったわけではないぞ!」
    「そうなのか? あってくれたって全く構わなかったのに。キミだってまだ若かったし」
    「いやいやそうはいかない。そういうことにしておいてくれ。しかしやっぱりかわいいとは思っていた。下心ではなくてな、なんというか……」
    「あははっ。だからそれが、おれの初めてだ」
    「そうか……。そうか、そうだったな」
     うんうん、と頷きながらもう一回、額にキス。あのときはそっと触れるだけだったけど、今日は、やっぱり力強くて情熱的だ。触れるだけだってのにクラクラする。
    「グランツ、おれは今もおまえがかわいくて仕方がない。とってもかわいい。こんなにかっこよくていい男なのに間違いなくかわいいから不思議だ」
    「あっははは、照れるからもうやめてくれ。おれに言わせれば世界で一番かわいいのはキミだ」
    「いーやおまえの方がかわいい。今日はもう何回言ったかわからないが」
    「やめてくれ、本当に眠れなくなる」
    「むむっ、それも困るな!」
     そしてもう一回、額にキス。やっぱりドキドキしてとろけそうだ。あのときはぐっすり眠れたのにな。
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