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    noa1044974

    @noa1044974

    ヌヴィフリ小説置き場
    たまに原神考察もあります!

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    水槽の中に囚われたフリーナちゃんとそれを助けるヌヴィレットさんのヌヴィフリ
    ちょい不穏ですがハッピーエンド

    #ヌヴィフリ
    NeuviFuri

    囚われ少女ヌヴィレット……助けて……


    始まりはとある劇団が僕に監督をして欲しいという依頼からだった。
    あまり名の知れない劇団だった。
    けどせっかくの依頼だし、断る理由もなかったからその劇団の舞台をサポートする事にした。
    その劇団は名の売れてない劇団なのに小道具等が揃っていた。
    こういう場合、スポンサーが付いているか、劇団員の中に貴族がいるかという二つに別れる。
    この劇団は後者だった。
    しかも団員は七割が貴族なのでお金が沢山あった。

    しかし演技の実力はお金では買えない。だからこそ僕に依頼してきたという訳だった。
    今思えばどうして違和感に気が付かなかったのか……

    劇団の七割が貴族
    小道具が揃っている
    なのに売れてない劇団。

    そんな劇団、考えたら即席なものという可能性もあるのに、僕は見落とした。

    稽古を始める日。
    劇団が用意した練習用の屋敷に入ると襲われた。
    神の目を使う暇さえなく、意識を失い、次に目を覚ますと水の中にいた。

    ここは何処なのだろう?
    肌に触れる水で水の中に居ることがわかる。そして下を向くと劇団員が白衣に身を包み僕を見ていた。
    手を伸ばせば硝子のようなものに触れた。
    そして気が付いた。
    僕は円柱の水槽の中に入れられている事に……

    本で見たことがある。人体を研究する時や人を生み出す実験ではこうして円柱の水槽の中で人を作り出すと……

    怖い。何をされるのか分からない。
    僕の出自は余りにも特殊だ。フォンテーヌ人だけど少し違うし、この身には強い精霊の力が宿っている。彼らは僕の体に興味があるのだろうか?
    だから閉じ込めた?
    考えると怖くて、目を閉じると、コポリと水の音がし、そして僕の意識は闇に堕ちた。



    それから僕はずっとこの円柱の水槽の中にいる。水に浸された水槽の中でずっと生きている。
    時々意識が戻ると、白衣を着た人が僕を見上げ美しいと言っている。
    流石は水神だと言う声も聞こえた。

    怖くてたまらなくて、僕は涙を流すが水槽の水となり消えてしまう。

    助けて…ヌヴィレット…助けて

    いつの間にか僕は大好きだった彼を心の中で呼び始めた。
    フォンテーヌを守る最高審判官。ヌヴィレット。
    優しい彼が僕は大好きだ。
    助けて……ヌヴィレット

    心でそう願い僕の意識はまた闇に堕ちた。






    ヌヴィレットside


    「フリーナ…何処にいる?」

    フリーナの行方が分からなくなったのは一週間前。
    劇団の依頼を受けに行くといい、彼女は行方不明となった。
    劇団の足取りは掴めず私とクロリンデはこの一週間、毎日彼女を探しているが手がかりはない。

    フリーナに依頼したという劇団も名前はわからない。
    きっとフリーナが目当てであり、即席の劇団だったのだろう。
    水と共鳴してみたがそれでも足取りは掴めずかなり頭の良い人が巧妙に練った策だということはわかる。

    『ヌヴィレット…助けて』

    本日もフリーナの捜索をしていると、私の耳に声がした。

    「フリーナ?」
    『ヌヴィレット……助けて……怖いよ……』

    もう一度聞こえた声はフリーナの泣き声で、私は直ぐにルキナの泉に向かい、水と共鳴する。

    すると昨夜は見えなかったフリーナの足取りが掴めた。
    ルキナの泉が集めた人の涙の中にフリーナの涙があったお陰だ。
    私はフリーナがいる場所に向かう。

    そこはフォンテーヌ邸の真ん中にある小さな屋敷。

    貴族が所有している屋敷であり、門を叩くと中から白衣を着た男性が現れた。

    「ヌヴィレット様!?私の家に何か御用が……」
    「用事があるから来ている。すまないが事を荒らげると君が不利になる」
    「っ!!」

    男性はゆっくりとドアを開け、道を開いてくれた。
    中に入り少し進むと円柱の水槽があり、水の浸されたその水槽の中にフリーナがいた。

    「彼女に何をした?」
    「私達はただ、フリーナ様を鑑賞したかったんだ。フリーナ様は美しい。だが市民にはあまりにも遠く……だから……」

    なるほど。フリーナを私利私欲のためにこのような場所に監禁したということか。
    怖い思いをさせ、泣かせ……

    「君たちがした事は大罪に値する。そこから動かないで貰おう」
    「ぐぁ!」

    私は男性を水の檻に閉じ込め、そして水槽を破壊し、フリーナを抱きしめる。
    裸の彼女に外套を掛けて、額に口付け、水元素の力を流し込む。

    「んっ…ぅ?」
    「フリーナ殿……」

    フリーナの目が開き私と合う。

    「ヌヴィ…レット?」
    「助けに来るのが遅くなってすまない。直ぐに手当てをしよう」
    「ん…」

    フリーナは頷く。
    そしてまた眠りに堕ちた。

    私は彼女を抱き上げる。男は水の檻から逃げることは出来ない。
    警備ロボに人を呼ぶように伝え、私はパレ・メルモニアに早足で戻ったのだった。








    フリーナを連れ帰った私は心配する職員にフリーナは大丈夫だと言い、この事は口外しないように口止めする。
    そして昔使っていた彼女の部屋に入りベッドにフリーナを寝かす。
    長い間、水の中に居たがフリーナの体には目立った外傷はない。
    水神だった為、人とは体の造りが違うのだろう。
    フリーナの額に手を置き、彼女の記憶を消していく。
    辛い思いなどしなくていい。彼女は長い時を苦しんだのだから……
    だから誰かに苦しめられる記憶は要らない。

    「フリーナ」

    彼女の額から手を下ろし、私はフリーナの唇にキスをした。






    フリーナside


    目を覚ますとパレ・メルモニアの僕の部屋だった。
    どうしてここに居るのかは分からない。頭にもやがかかってるから思い出せない

    けどそんなことするのは誰かぐらい想像は出来る。
    この部屋にたち入れて、僕を保護してしまう人なんてこの国に一人しか居ないんだ。
    きっと僕をリネくんやナヴィアが助けてもみんな彼に僕の事は頼む。
    それぐらい…僕とヌヴィレットは…

    「フリーナ殿。目が覚めたのか?」
    「ヌヴィレット…キミが助けてくれたんだよね?」

    部屋に入ってきたヌヴィレットを見つめ尋ねるとヌヴィレットは僕の頬を撫でる。

    「辛い記憶は思い出さなくていいと思った」
    「そうかもね……けどヌヴィレットが助けてくれた事は覚えて起きたかったな」
    「なるほど。次からは対処しよう」

    龍って記憶操作もできるんだ。なんて思い僕はヌヴィレットを見つめる。

    「何があったのか思い出せないけど、僕を助けてくれてありがとうヌヴィレット」
    「君に何かあれば直ぐに駆けつける」
    「僕の水龍は頼もしいや」

    そうして、僕とヌヴィレットは笑い合う。
    きっととても怖い目にあってヌヴィレットを呼んだんだろうな……
    パレ・メルモニアから逃げても結局僕はヌヴィレットから離れられない

    胸の中にある気持ちは言わないことにしてるけどそれでもやっぱり僕はヌヴィレットのこと……

    そう思いながら僕はヌヴィレットの手を握ったのだった。


    end
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