恋人はベース「ねぇ、愛音ちゃん。ベース、今度はどこに隠したのかな……?」
「教えなーい」
そよりんがため息をついた。
「ほんとに困るんだけど、そういうつまらない意地悪辞めてくれない?」
「だって、そよりんが構ってくれないせいじゃん」
私はそう返答して膨れっ面をした。
「仕方ないでしょう。もうすぐライブなんだから」
「そうだけど……そよりんの恋人はベースなんだ……私よりもベースの方が大事なんでしょう?」
「そんなこと言ってないから」
仕方ないなぁって感じでそよりんが私を抱きしめた。
「これでいい……?」
「……へへへ」
「愛音ちゃんってほんと単純だよね」
「えへへ、それほどでも」
「褒めてないから」