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    noir08_ff14

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    noir08_ff14

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    R15くらいのラハ光♀ キスしたり噛んだり色々する話。※自機名前アリ【前提】‎
    自機の名前はヨル
    紫髪のミコッテ、ムーンキーパー族
    緑と青のオッドアイ
    前回の初キスの話の続き。
    ⚠️しっかり喘いでいる場面もあるので注意⚠️
    ____________________________________


    初めてキスをした後から、何となくヨルがよそよそしいような気がする。
    無視されているわけではないし、そっけないわけでもなく、2人で食事に行くこともあるし、天気のいい夜は2人で寄り添って本を読んでいる。
    ふらっと旅に出て、土産話を持って帰ってくる、いつも通りの日々を過ごしている、が。

    目が合わない。

    彼女は人と話す時にしっかり相手の目を見る人だ。
    クルルやオジカと話す時はちゃんと見ていたから、目が合わないのはオレだけ。
    照れているだけ...だとは思っているが、如何せん面白くない。
    長い睫毛に縁取られた宝石のような2色の瞳が、優しげに細められるところも、真っ直ぐに見つめてくれるところも。熱に浮かされたように潤んでいるところも、心の底から愛おしく感じる。
    オレにだけ向けられないのは、どうしても嫌だった。




    「なぁ...オレの目を、見てくれないか。」
    「...えっ!?」
    「見て。」
    「な、ど、どうしたの?急に。」
    「最近目、合わせてくれないだろ。あんた、人と話す時ちゃんと目を見て話すのに。オレの時だけ合わないの、嫌だ。」
    「あー...っと、ね。...うん、気を付けるから...少し、時間を貰ってもいい?」
    「嫌だ。今すぐ。」

    仕事が終わってから彼女の部屋へと赴き、話があると言えば通してくれた。
    一瞬目が合ったのに、少し揺れてすぐに逸らされてしまうのが、どうしようもなく寂しかった。
    問答無用でベッドまで連行し、目を見るよう促しても逸らされてばかりだった。
    途中で椅子...と聞こえた気がするが恐らく気のせいだ。
    本当は、彼女の言うことならなんだって聞いてやりたい。が、今回ばかりは譲れなかった。
    困ったように笑う彼女の腕をそっと掴んで、じっと目を見る。
    考えているかのように固く目を瞑って、ゆっくりと開かれてこちらを見た。

    「やっとこっち見た。...ちょっと寂しかったんだぞ。」
    「ご、ごめん、その、えっと...」
    「あ、こら。考えてもいいけど、目は逸らさないでくれ。」
    「う...」

    頬を染めてこちらを見上げる彼女はいつ見ても愛らしい。
    何度か逸らそうと目が泳いで、戻ってを繰り返している彼女は、寂しいと伝えたからかきちんと目を合わせるよう努めてくれているようだった。

    「......その、今、ラハと目が合うと...」
    「うん。」
    「...キス、してもらった時のことを思い出して恥ずかしくなってしまうから...落ち着くまで、待って、欲しいのだけれど...」

    そう言って真っ赤な顔を逸らしてしまった彼女を撫で回したくなる衝動を必死に抑えて口元を手で覆う。
    ニヤけるな。頑張れオレ。こんな顔見られたら流石に引かれる。
    それほどまでにゆるんだ口元を必死に引き締めて、彼女の頬に手を添える。

    「...そんなに良かった?」
    「...少なくとも、あの日あの子達が話していた内容は理解出来た。」
    「...もう1回、するか?」

    そう伝えれば、驚いてこちらを見る彼女と目が合う。
    あぁ、そうか。
    彼女と初めてキスをした時、恥ずかしさや申し訳なさで俯いてしまった彼女と目を合わせてからキスをしたから、オレの目を見ると思い出してしまうのか。
    なんか、それは凄く、物凄く可愛い。

    そんなことを考えながら腕を引いて引き寄せる。
    素直に近くまで寄った彼女は、ぽすり、と肩口に顔を埋めてしまった。

    「...嫌?」

    彼女は小さく首を横に振った。

    「したい?」

    暫く間を置いて、小さく、肩口に頭がなければ気付かないほど小さく頷いた。

    そっと頭を撫でて、腰に腕を回すように抱き締めた。

    「そうだ、呼吸。」
    「...うん?」
    「キスしてる時は、鼻で呼吸するんだ。口でしようとすると上手くいかないから、ちゃんと意識して呼吸しないと苦しいからな。」
    「...うん、わかった。」
    「じゃあ出来るまで練習、な?」

    ひゅ、と息を飲んだ彼女に唇を合わせ、力が抜けるまでゆっくり、何度も口付ける。
    相変わらず肩の力は抜けてないけど、あやす様に背中を撫でてやれば少しずつ和らいでいった。

    肩の力が抜けて、彼女の緊張も解れたところで1度離し、口を開けるよう伝えれば小さく開いてくれた。
    覚えていて偉い、の意を込めて優しく撫で、そっと舌を差し込む。
    牙を撫で、上顎をなぞり、相変わらず逃げてしまっている熱を捕まえる。逃げようとする身体をしっかり抱き締めながらふと呼吸を確認すれば、上手く出来ていないようだったので1度離してやる。既に蕩けた顔の彼女は荒い息を整えながらこちらに凭れていた。

    「呼吸、忘れてただろ。」
    「...?......あぁ、そうだったね。」
    「ちゃんと呼吸出来ないと苦しいだろ?」
    「...ん、気をつける。」

    とろりと溶けた目元を撫でて、いい子、と告げ再度口付ける。
    開くように伝えていないので閉じたままの唇を開かせるように舌で撫でれば、びくり、と肩を揺らしておずおずと薄く開いてくれた。

    今のところ呼吸に問題はなさそうなので、頭に手を回して少し乱暴に捩じ込む。
    驚いて逃げた舌先を捕まえて、昂る感情を少しだけ滲ませて口内を荒らす。
    先程よりも甘く、激しいキスに気持ちよくなってくれているのか、前回よりも多く彼女から漏れ出る吐息や小さな声を堪能していたら、呼吸が出来ていない事に気付いて慌てて離れる。
    夢中になってしまっていた。危ない。

    「苦しかっただろ?ごめんな...」
    「...はぁ、っ、うん。...だい、じょうぶ。」
    「...少し休憩するか?」
    「..ううん、平気。...ごめんなさい、頭がふわふわして、つい...気を付ける。」

    そう言って彼女は、物欲しそうな目でこちらを見上げていた。
    ただでさえ必死に抑えているというのに、そんな可愛い顔をしないでほしい。
    上手に呼吸が出来るまではあまり激しくしないようにしないとと言い聞かせて、優しく口付ける。

    舌先が唇に触れると、薄く開いてくれた彼女を撫でて口内に入る。
    先程のように激しくはせず、ゆっくり、優しく、触れ合うように絡めていく。
    今度は呼吸もちゃんと出来ているようで、頭を撫でてやると嬉しそうにしていた。

    呼吸が出来ているなら、と舌先を軽く吸い、ぴく、と身体が反応したところで少しだけ激しく絡めてみる。
    ぎゅ、と裾を握る手に力が入り、漏れ出る吐息が少しずつ激しくなっていく。
    少しずつ甘く、激しく、深く絡まる熱が理性を溶かしていく。
    素肌に触れてしまいたくなる衝動を必死に抑えて何度も重ね、彼女が限界を超える前に離してやる。

    荒い呼吸も、服の裾を握る小さな手も、蕩けきった表情も、熱に浮かされた潤んだ瞳も、何もかもが愛おしくて再度触れるだけのキスをする。

    「...は、っ、はぁ、ふふ、これが、激しいキスってやつなのかな。」
    「う...、悪い...歯止めが効かなかった...苦しくなかったか?」
    「...きもちよかった、とっても。」

    そう言って笑う彼女の首筋に、一筋汗が伝っていて。
    何も考えずそっと抱き寄せて、舌を這わせた。



    「え?...っ、あ...っ」



    すぐ上から聞こえた甘い声に顔を上げれば、真っ赤な顔の彼女が口元を両手で抑えていた。

    「ヨル、今の...」
    「知らない。私には何も聞こえなかった。なにか聞こえたなら外かもしれないね。」
    「いや、窓閉まってるからな。」

    矢継ぎ早にそう言った彼女は、首を抑えてベッドから降りてしまった。

    「...何もないなら、そんなに離れる必要ないよな?」
    「や、ちょっと休憩しようかなって思って。」
    「休憩したいのか?ならほら、こっちおいで。あんなことした後に1人は寂しいだろ?」
    「......なにも、しない?」

    そう言って、じとりとこちらを見る彼女に何も答えずにじり寄る。
    少しずつ後退る彼女を壁際まで追い詰めて閉じ込める。

    「...なんで何も言ってくれないの。」
    「声が可愛かったから?」
    「答えになってない...!!」

    逃げられないと悟ったのか、離れたのが寂しかったのか彼女は意外と早く降伏してくれたので抱き上げてベッドに戻る。
    ......軽い。前よりも。

    「あんたまた飯抜いただろ。」
    「食べてるよ?...誰かといる時は。」
    「ちゃんと毎日食ってくれよ...」

    小言を言いながらベッドに下ろし、そのまま押し倒してキスをする。

    「逃げた罰、な。」

    そう言って手首をまとめ、片手でベッドに縫いつける。
    驚いて抵抗しようとする彼女を身体で押さえ付けて、首筋に舌を這わせる。

    「ひゃ...っ、や、まって、ラハ...っ」
    「待たない。...首、気持ちいい?」

    答えを待たずに首筋を舌で撫で、喉を甘噛みする。

    「あ...っ、ラハ、だめ、やっ...ぅあ...っ」

    甘やかな声が、脳を痺れさせる。

    「だめ?嫌ならやめる。気持ちいいなら、ちゃんと気持ちいいって言ってくれ。...な、ヨル。どっち?」
    「...うぅ...今日なんか意地悪じゃない...?」
    「さぁ?どこかの誰かが目を合わせてくれなかったり逃げたりするからかもな。」
    「...ご、ごめん...なさい...」
    「...ふ、いいよ。怒ってないから、な?」

    本気で申し訳ないと思っているのだろう。
    少しだけいじめるつもりが思いの外凹んでしまって焦った。
    腕を解放し、優しく撫でて、触れるだけのキスをする。

    ほっとしたように見上げた彼女は、やはり熱のこもった目をしていて。
    じゃれて疲れたのかぼんやりしてきた彼女を撫で、再度首筋に舌を這わせた。

    「ひゃっ!?ちょ、だめだって、ラハ...っ」
    「だめ、は聞かない。嫌ならちゃんとやめる。...でも今は、少しだけ、抵抗しないでほしい。ちゃんと気持ちよくするから。」

    そう伝えて、脈打つ首筋に触れる。
    愛撫するように舌で撫で、キスをして、もどかしい快感を与え続ける。
    身を捩り、甘やかな声をあげる彼女を押さえ付けて舌を這わせた。

    ネクタイを解き、シャツのボタンを3つだけ外す。
    しっかりした服装をしていることの多い彼女の、こんな乱れた姿を見るのはきっと自分が初めてなのだろうと心を踊らせながら、顕になった鎖骨に触れる。
    羽のように優しく、そっとなぞればびくりと彼女の身体が震えた。
    キスを落として、鎖骨に触れながら喉元に吸い付く。
    白い肌に赤い華を咲かせた彼女に喉を鳴らして、鬱血した肌を舌先で撫でた。

    「...んっ、ふ、ぅ...っ、あっ、ん..」
    「声、可愛いな、ヨル...もっと聞かせて。」
    「や、やだ...恥ずかし、んっ...」
    「抑えちゃダメだ。...オレしか聞いてないよ、大丈夫。」

    あやす様に声をかけて、鎖骨にキスを落とす。
    そのまま舌先で撫でれば再度甘い声がする。

    「首も、鎖骨も、気持ちいい?」
    「な、んか、ぞくぞくする...こわい、へんなかんじ。でも、嫌じゃない、から...」

    もっと、して。
    そう物欲しそうに答えた彼女を前に、理性なんてものは意味を成さなかった。

    怖くない、大丈夫だからと時折声をかけつつ首元に、鎖骨に、肩口に舌を這わせて愛撫する。
    下着の上から膨らみに触れれば、動きに合わせて形を変える様に酷く興奮した。
    外し方なんて知らないので下着はそのままに、手に収まらない膨らみを堪能する。
    やわやわと触れながら喉元に噛み付けば、彼女はいっそう甘やかな声をあげた。

    「...噛まれるの、好きなのか?」
    「...っ、わかん、な、ぁっ、きもちい...っ」
    「気持ちいい?...そっか、じゃあ、もっとしような。」

    キスを落として、舌を這わせる。彼女の反応を見て、痛くしすぎないよう気を付けながら噛み付いていく。
    度々華を咲かせながら、歯型を残す。
    這わせる度に聞こえる濡れた音も、リップ音すらも上手く聞き取れない。
    よく聞こえる自慢の耳を、熱が阻害しているようだった。それでも、彼女の熱に浮かされた甘やかな声だけは、余さず聞こえてくる。

    「...ぅん...っ、は、ぁ...っ、ラハ...っあ、きもちい、っ...ラハ、ぁ...っん...」
    「...ここにいるよ、ヨル。大丈夫。怖くない、怖くないからな。...沢山気持ちよくなろうな。」

    甘い果実を貪るような、痺れるような快楽。
    自分がされているわけではないのに、彼女が気持ちよさそうに声を出すと酷く興奮する。
    もっと、もっとしてあげたい。もっと聞きたい、触れて、噛んで、オレのものに。
    小さく響く甘やかな声も、熱を孕んだ潤んだ瞳も、シーツを握る小さな手も。
    オレを呼ぶ愛らしい声も、蕩けきった表情も全部。

    オレだけしか知らない、特別なものだった。



    ふと彼女を見れば、鬱血痕や歯型が首筋から胸元にかけて酷い有様だった。
    一瞬で血の気が引いて、急いで癒そうと杖に手を伸ばそうとすると小さな手に止められた。

    「ご、ごめん...オレ...っ!痛いだろ、ごめ、ごめんな、今治すから...!」
    「...治しちゃだめ。自然に消えるまで、このままにするの。」
    「...痛いだろ?オレ、あんたにこんな酷いこと...する、つもりじゃ...」

    顔に熱がこもって、目頭が熱くなる。
    何を泣こうとしているんだ、泣きたいのは、どう考えたってきっと酷く痛かっただろう彼女なのに。
    涙が零れないよう歯を食いしばっていたら、目の前の彼女がぽそりと呟いた。

    「...恥ずかしいから、何回も言いたくないのだけど。」
    「...え、っと...?」

    なんの事だかわからず聞き返せば、顔を真っ赤にした彼女がじとりと睨んで1度しか言わないから、と前置いた。

    「...きもちよかったの、すごく。もっとしてって頼んだの、私だよ。聞こえてなかったの...?あなたが気持ちいいならちゃんと言ってって言うから、頑張って伝えたのに...」

    むす、と効果音が聞こえそうなほどむくれた彼女は、そう言って抱きついて、肩口に顔を埋めてしまった。

    思い返してみれば、彼女は酷く気持ちよさそうだった。
    甘やかな声も、快楽を訴える声も、オレを呼ぶ声もちゃんと覚えているのに、あまりにも酷い有様を見て吹き飛んでしまっていた。

    「...そっか、気持ちよかった、か...良かった...」

    一度安堵してしまえば、乱れた彼女の姿を思い返して愛おしくなる。
    息を落ち着かせるように肩口で呼吸していた彼女は、何を思ったのかオレの首筋に口を寄せた。

    「...っん、ヨル...?」
    「...私ばっかり...やだ。私もする。」

    オレがしたように、首筋に舌を這わせてキスを落とし、喉元に噛み付く。
    少し声が漏れてしまうのが恥ずかしい。
    彼女の声は何としてでも聞きたいが、自分の声であれば別である。
    擽ったさから零れた声を噛み殺し、彼女からの柔い刺激を受け入れる。

    「...声、抑えちゃ、ダメなんだよ?」
    「気のせいじゃないか?」
    「......あなたが言ったんだよ。」

    じとり、と見上げた彼女は、再び首筋に舌を這わせ始めた。
    確かに少し擽ったいけど、オレは彼女ほど弱くはないから拙い刺激に耐え、零れそうになる吐息を噛み殺して頭を撫でてやる。
    肩口に噛み付こうとして、力加減が難しいのだろうか。甘噛みにもならない刺激に愛しさを感じる。

    「...もう少し、強くしても大丈夫だ。」
    「や、牙が、刺さってしまうから...どうしよう。」
    「...刺さっちゃダメなのか?」
    「流石に痛くするのは気が引けると、いうか...」

    困ったように耳を下げた彼女を抱き寄せて肩口に頭を寄せさせる。

    「痛くないよ、大丈夫。...跡、付けたいんだろ?」
    「...ラハがしてくれるのは、気持ちいいから、私もラハにしてあげたい。...けれど、痛くはしたく、ない...流石に牙は痛いと思う。」
    「うーん...そっか、そうだな......あぁ、じゃあこれは?」

    そう言って、彼女の鎖骨についた赤い跡をなぞる。
    乱れたままの服と、白い肌に散乱した跡が痛々しい。
    そのまま愛でるように首筋にキスを落とせば、すぐに両腕で剥がされ、拗ねたような目に射抜かれた。

    「今は私の番でしょう。」
    「...ごめん、つい。」
    「...これ、どうやってつけるの?」

    今度は剥がされなさそうなので、腰を引き寄せて手首を掴む。
    まだ白い首筋に舌を這わせて、軽くキスをしてから強めに吸い付く。
    零れた甘い声が可愛い。もっとしたいけど、多分次は怒られるので大人しく離してやる。

    こちらの首筋まで誘導し、柔らかい髪を撫でて待てば、ゆっくりと首筋に唇を寄せて吸い付いた。
    拙い舌の動きが、多分上手くついてないだろうなとわかる程弱い力がもどかしい。
    そのまま何度か吸い付いて、小首を傾げて別の場所へ。
    好きなようにさせてやれば、マフラーを解かれ鎖骨を見付け出したようだ。
    彼女の行動原理がオレにしてもらった気持ちいいことを返すことである以上、彼女のしていることは自分の気持ち良かったことの再演である。
    次は鎖骨を重点的に攻めてやろうとほくそ笑んでいれば、鎖骨をなぞられ少し吐息が漏れ出る。
    確かに、これは気持ちいいかもしれない。零れた吐息が聞こえたからか、嬉々として鎖骨を攻め始めた彼女は動きこそ拙いが、気持ちよくさせてあげたいという気持ちがひしひしと伝わってきて可愛い。
    後頭部を撫で、彼女の耳元に頭を寄せ軽くキスをした。

    「...っは、ぁ。...ふ、気持ちいいよ。ヨル...」

    気持ちいいならちゃんと言う、と教えたのだから。
    オレも伝えてあげないと、と思い熱い吐息混じりに囁けば、彼女はびくりと身体を震わせて静止してしまった。

    「...ヨル?どうかしたか?」
    「......」
    「...ヨル?」

    俯いて黙り込んでしまった彼女の頬に手を添えてこちらを向かせれば、リンゴのように赤く染まった頬に驚く。

    「え、ど、どうした!?」
    「...無意識だったの?...今は、いいよ。もう大丈夫。後で教えてあげる。」

    そう言って、赤い顔を隠すように首筋に舌を這わせた彼女の甘い刺激に耐えながら思考を巡らせる。
    耳にキスをしたから?いや、何回かしたことはあるが擽ったそうにしていてもあんな反応は見たことがない。
    触り心地の良い綺麗な髪を触りながら考え込んでいれば、集中していないことに気付かれたのか、離れてしまった。

    「...ヨル?」
    「...集中していないでしょう。...あんまり上手につかないし...」
    「あー...ごめん、その、さっきのが気になってしまって...オレにならいくらでもしてくれていいから、跡付けるのも練習しような。」
    「...さ、っきの、は。忘れてくれると嬉しいのだけど...」
    「あんな可愛い反応忘れられるわけないだろ...?」

    とはいえ、オレについた薄く色付いた跡を撫でて凹んでいる様子の彼女にどうしたものかと考えていると、ふと思い浮かんだひとつの可能性を試みる為に腕を引いて引き寄せる。

    「...ラハ?」

    不思議そうに見上げる彼女を抱きしめて、耳元に頭を寄せる。

    「...もしかして、オレの声、好き?」

    そう耳元で囁けば、びくりと身体震わせて静止してしまった。これだ......!!

    「囁かれるの、好きなんだ?」
    「...いじわる...」
    「はは、それ、煽っているようにしか見えないから気を付けろよ?」

    潤んだ瞳のままじとりと睨んだ彼女の目元にキスをする。
    鎖骨辺りについた淡い跡を指でなぞり、もう一度彼女を誘導する。

    「ヨル、跡を付けたい場所を、ゆっくり、優しく舐めてみてくれ。」

    不思議そうに首を傾げた彼女は、言われた通りに鎖骨を舌先で優しくなぞる。はむ、と唇で挟み、撫であげるように柔らかく這う舌にぞくりとする。

    「甘く痺れる感覚、わかるか?気持ちよくなれるように、舌先を上手く使うんだ。」

    拙いけれど、柔く与えられる刺激に零れる吐息を今度は我慢せず、余すことなく彼女の耳に届けてやる。

    「...そう、上手...っん、気持ちよく、なると、息が乱れたり身体が震えたりするから...っは、ぁ...そしたら、強く吸い付くんだ。」
    「...いたく、ない?」
    「あんたは、オレにされた時どうだった?気持ちよかったならオレも、ちゃんと気持ちいいよ。」

    不安そうな彼女の頭を撫で、大丈夫だと伝えてやれば鎖骨に甘やかな痛みと共にはっきりと跡が残っていた。

    「...ん、上手。」

    そう言って撫でてやり、抱えるように抱きしめてベッドに倒れ込む。
    甘えるように擦り寄る彼女の頬に手を添えて、何度も唇を重ねた。
    誘うように薄く開かれた口唇に舌を差し込み、優しく絡めとる。
    呼吸も随分上手くなったものだ。まだちょっと下手だけど。もう少し練習すれば恐らく呼吸も問題ないだろう。
    名残惜しく離れた口元に伝う銀糸にまた少し感情が昂ってしまう。
    けど、もう彼女が限界だろうからとそのまま抱き締めて柔らかい髪を撫でる。
    嬉しそうに笑う彼女が堪らなく愛おしくて、抱き締めた腕に力を込める。
    お互い乱れた服も髪もそのままだけど、シャワーは明日でいいか。

    「あ、そうだ。...ラハ、まだ平気?」
    「ん?どうした?」

    起き上がった彼女は少し離れて、ん、と腕を広げてみせたので首を傾げて抱き締めれば、そうじゃなくて、と離されてしまった。
    膝立ちした彼女は、ぎゅ、とオレの頭を抱えるように抱き締めた。
    ...柔らかい胸に顔を埋めるようになっているが、良いのだろうか。さっき3つほどボタンを外したので淡いブルーの下着から覗く素肌に直接触れてしまっている。伝えたらしっぽではたかれそうなので静かに堪能していれば、耳元でよしよし、と優しい声と共に頭を撫でられた。

    「...ヨル?」
    「ふふ、撫でてもらうのも抱き締めてもらうのも嬉しいから、お返し。ラハ、髪柔らかいね。」
    「...あんたの髪の方がいいよ。柔らかくて、綺麗で、いい匂いするし。」

    頭上から楽しげな笑い声が聞こえる。
    乱れた髪を解いて遊んでいるようだったので、スカートから覗く細く柔らかい太腿に指を這わせてみる。
    ぺし、としっぽで腕をはたかれた。ダメか...
    手持ち無沙汰だな、とふわふわな胸を堪能していたら、そうだ、と声がして耳を柔く触られる。

    「ラハ、その、1回だけ首を噛んでもらえないかな...?」
    「...オレは良いけど、あんた、首結構酷い有様だぞ...?」
    「見えなければ全然いいよ。噛めるところある?」

    そう言って首を差し出したかと思えば、少し考えて今度は鎖骨が目の前に来る。

    「やっぱりこっち。」
    「...??あんたがしたいなら、いくらでもするけど...?」
    「1回だけでいいの。」

    彼女の意図は上手く読めなかったが、してほしいなら...と差し出された鎖骨に舌を這わせる。
    ぴくり、と震わせた身体を抱き締めるように腰を抱き、熱い吐息が零れたところで噛み付いた。
    途端、ぐい、と頭を寄せられ、優しく耳をなぞられ、吐息の熱を感じる。

    「...っん、ぁ...っはぁ、きもちい...っん、ラハ...っ」

    脳が甘く痺れるような、蕩けきった声。
    耳元で甘く囁かれた嬌声は、理性を手放すには充分だった。

    「...ふふ、驚いたでしょう?私だって、驚いたから固まってしまっただけで、決して、気持ちよく感じてしまったわけではないんだよ。...断じて、違うからね。」
    「......」
    「さ、仕返しも出来て満足したし、そろそろ寝ようか。...ラハ?」
    「...あんた、明日の予定は?」
    「え?特にはなにも...強いて言えばリーヴ納品をしようかなって...?」
    「じゃあ今から、何されても文句ないな?」

    不思議そうにオレを覗き込む彼女を引き寄せて、驚いて声を上げる前にキスをする。
    抵抗する腕をひとまとめに掴み、歯列をこじ開けて捩じ込む。逃げ惑う熱を捕まえて、犯すように口内を激しく荒らす。
    恐怖か、快楽か。どちらともわからない震える身体を押し倒し、まとめた腕をシーツに縫い付ける。
    一度口を離してやれば、戸惑う瞳と目が合った。

    乱れる吐息を落ち着かせている彼女を横目に首筋にキスをする。
    休む暇など与えないと舌を這わせて、擦り合わせていた脚の間に自らの脚を捩じ込む。
    きゅぅ、と絡められた脚に力が入るのを感じる。

    「ま、待って、ラハ...っど、どうしたの、急にそんな...」
    「...今のは、あんたが悪い。」

    どこまで推し進めても許されるかを考えながら鎖骨に触れ、残るボタンに手を掛ける。

    驚きの声が甘い嬌声に変わっていく。
    蕩けきった顔で乱れる彼女をもっと、もっと乱したい。

    彼女の甘やかな声と、2人の乱れた吐息に包まれた夜は、幕を開けたばかりだ。


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