ドラゴンズドグマ2「記憶」「………、………う…。」
「覚者様…!大丈夫ですか、覚者様!?」
聞き慣れた声に呼び戻された。
意識が朦朧として、自分が今どこにいるのかも判然としない。
「…あ……、俺…は……」
徐々に意識がはっきりしてくる。
ここは…、そうだ。
ハーヴ村の洞窟から続く海底神殿を進んでいたところだった。初めて訪れた場所だ。聖域と呼ばれるこの場所が、何故か俺には初めてとは思えなかった。
夢が正夢にでもなったというのか…最初はそう思ったが、違う。俺はこの場所を知っている…。
朽ちた牢獄を抜け、謁見の間のようなホールに出た時、その既視感に軽い目眩がした。奥の螺旋階段を上り、城と離れの塔を繫ぐ渡り歩廊に差し掛かる頃には、胸の奥が疼き、何かを拒む体とは裏腹に、この先へ進みたい衝動に駆られた。
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