無題「偶然だ」
「いーやわざとだね。駆け寄ってるの見たんだぞ!」
「試合に集中しろ」
「終わった後だ!」
その日はまだリサーチが完璧でない新しいマップで慣れない地形、共に組んだチームでの初勝利だった。普通なら祝杯を揚げてそのまま盛り上がり、特別な夜を期待してもいい位だ。期待じゃなく、確信するほどに。
それが何故か勝利の報せを受けてシップに回収され、シャワーを済ませて車でセーフハウスへ帰り二人きりになった今も売り言葉に買い言葉だ。
と言うのも、その日の部隊メンバーがクリプトと関係を噂されている電気技師─ワットソンとの3人だったからに起因する。
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物資の在処がまだ頭に入っておらず、つい広がって探索しがちで二人が近かったり、物資やダウン時のフォローなど、偶然二人が関わる事が重なった。これは意図的ではないのはオクタビオも理解していたが、その時のやり取りは部隊全員に無線で入ってしまう。
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