「俺、龍司くんの作る料理スゲ〜好きだよ」
そう言って笑う品田に郷田は今まさに飲もうとしていたビールが逆流してしまった。がほがほ、と噎せ返る郷田のことなど気にすることなくこれぞ男飯!というような豪快なご飯を美味しそうに食べていた。
郷田から言わせてみれば、全て適当に切って焼いて味付けしただけ。だから、まるでお高いフレンチのフルコースのように美味そうに、しかし食堂のA定食のようにがっつかれてしまうと中々にむず痒さが郷田の背筋をビリビリと駆け抜けていく。嬉しさ?それとも、愛おしさ?アルコールが回っている郷田の思考は一向にまとまらなかったから、そのふわふわとした気持ちに名前をつけ意味を込めることなど出来やしなかったが。
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