いつかどこかでおこること「あ、えっと…取り込み中すまない」
いつものように定期連絡を持ってキャンプ・ドラゴンヘッドへ足を運ぶ。あの冷たき大地へ赴くのにもそらそろ慣れはじめた。しかし今日は終末関係の事で若干書類が多い。作業を足早に済ませようと挨拶もなく二枚扉を開けると、先客がいたようでいくつかの視線がこちらを向いた。
「出直そう」
「いやいいよ、別に何してるってわけでもないしな。定期連絡だろ?」
「そ、そうだが…」
視線の圧に踵を返そうとした私をエマネラン卿は声で制止する。促すように手を出していたので、私は視線の中その手に近寄りサイドバッグから書類を出して手渡す。
「定期連絡…グランドカンパニーの方ですか?」
エマネラン卿が書類に目を通しているのを待っていると、そんな声が背後から飛んできた。振り返ると、椅子に座ってドリンクを飲んでいた先客、ミコッテの女性が私を見ていた。どこかで見た顔だ。足元にはアウラの男性がしゃがみこんでいて、同じようにこちらを見ている。
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