その秘密は、秘密とすら気づかれない「オイ、ココはいつから託児所になってんだ」
久々に昔からの仲間がやっている店に顔を出せば、カウンターには我が物顔で小さな足を揺らす姿。今はパーカーにジーンズの私服姿だが、平日の昼間はまだセーラー服に身を包む義務教育対象年齢だと言うことは俺もよく知っている。
「リョーマ如きに言われてもねー」
そんな憎まれ口を叩かれながら俺は足おきに足も届かずぶらぶらと揺らす少女の隣に座る。いつもの定位置だ。
「クソガキに言われたかねぇ」
そう言ってマスターである鷹晴さんにジントニックを注文し、ポケットから出したタバコをテーブルの上に置き、取り出しておいた一本にレジ前で拝借した店のマッチで火を付け、肺にヤニを取り込んだ。
「まーたタバコ吸ってるー!程々にしろって言われてるくせに!」
1840