【MHW】安寧を敷く領域 徐々に白んでいく水平線を眼下に眺め、クレドは一等マイハウスの扉を億劫に押し開いた。
気が緩んだせいか、疲労がどっと押し寄せてとにかく眠い。身体は鉛のように重く、思考は油がきれた機械のごとく動きが鈍い。機動力を鑑みて片手剣を選んだのが幸いした。これが常のようにガンランスであったなら、さすがに気力が尽きて途中の階段で行き倒れていただろう。
調査報告のことが一瞬クレドの頭に浮かんだが、仮眠を取ってから赴くことにする。急を要するものでもなく、頭のおぼつかない状態を指南役などに見つかればむしろ心配させてしまう。
薄暗く静まり返った室内に、放し飼いのオソラノエボシがゆらゆらと泳ぎ回る。クレドは眼前を横切るそれらから寝台へと目を滑らせた。留守中にルームサービスが整えたのだろう、ベッドメイク済みの敷布の上に、白い毛玉が丸くなっている。
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