煌めく川面から離れて 幾万幾億もの光の粒がつくる、煌めく水面。美しい眺めだが、天(そら)を東と西に隔てるその大河は、恋に溺れた天女への戒めだ。課せられた務めを忘れた娘とその夫への罰として、星屑を集め河と為した天帝は、年に一度であれば、河を渡り共に過ごすことを許した。
ルフィは毎朝、天河(てんが)で星の欠片を汲む。
愛おしい夫を想いながら姫が織る天衣には、雲から紡ぎ、星の欠片で染めた糸が使われる。故に、織女の御殿に仕える天女にとって、星汲みも大事な役目。
それでも星汲みは、機織りに携わる天女の中では最も低い位階の仕事だ。そのため、ルフィと同じ役目を頂く天女たちは、早く紡ぎ手か、せめてひとつ上の、星々を色で選り分ける役目につきたいと毎日のように口にしていた。
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