「ソンソちゃんその顔初めて見るよ。」ヒューゴの朝は早い。
いや、早い、というよりかは彼の同居人のソンソー彼女の朝が遅いといった方が良いのか。
ともかく、ソンソはヒューゴが支度を終え、家を出る頃合いになって漸くベットを抜け出すのだ。
静かな足音がせわしなく動いているのを尻目に歯を磨き、顔を洗ってお気に入りのクッションに埋もれる。
用意が済み、いってくる、と簡素な挨拶に、寝起きのひきつった声で小さく、いってらっしゃ…い、とへたくそに応えてから半日以上。
ぼーっとしていた頭でふと目が捕えたのは、テーブルに置かれた【至急】と書かれた封筒だった。
どうしてそれが読めたかは覚えていない。急、という字はいそぐ、もうめっちゃすぐ、超スピードで!という意味があることを先日教わった気がする。
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