プレイ アゲイン さびれた興信所で調査員として働くハン・ホヨルは、チラシ配りを終えてマンションの自室へと帰ってきた。革靴を脱ぎながら玄関のドアを後ろ手に閉じる。廊下の明かりをつけるのも億劫で、暗がりのなかを進んでリビングのソファーに身を沈める。カイロ代わりに買った缶コーヒーは、コートのポケットの中ですっかり冷え切っていた。凍えた指先で律儀な性格の後輩とのトークルームを開く。
『なぁジュノ、今日めちゃくちゃ寒くなかった?』
『寒かったですね。ホヨルヒョン、風邪に気をつけてください』
『お前もな。あー、鍋食いたい』
『今、母がちょうど準備してます』
『何鍋?』
『プデチゲです』
『やっと軍から出たのに、くく
お前の家だと具材何入れる?』
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