First Reminding Buzzer 指令を再生してすぐに脳裏に浮かんだのは、教え子の葬儀で見ていた光景だった。
インドで傷めた脚が治ってから今現在まで、イーサンの主な任務はシンジケートの情報収集だった。時折全く別の任務が入ることはあったが、エージェントの救出任務など、そもそも余程のことでもない限り彼には回ってこない。一度帰投するつもりでセーフハウスを出ようとした彼の元に突然舞い込んだ追加ミッションは、なるほど体が空いた上現在地が最も近いという合理的な理由でのアサインであった。
製薬会社ラボへの潜入任務に当たっていたエージェントからの定時連絡が途絶えた。エージェントの体内に埋め込んだ発信機は稼働しており、バイタルデータは送信されていることから生存は確認できるため、救出しろとのこと。
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