十万+ヨハどうしてこうなった。
万丈目は胡乱な瞳で、己に覆い被さる不埒者を下から睨め付けた。
今。
レッド寮の3段ベッドの一番下の段。
シーツの波に押し倒された万丈目に覆いかぶさって影を作っているのは、キャラメルとミルクチョコレートを溶かして重ねたような能天気で軽薄な色をした頭の男。遊城十代である。
万丈目さんの上にのしかかって駄犬の如くマウンティングするなどそんな無礼な振る舞い。他の相手ならば下から腹を蹴り上げて地面に叩き落としてやるところだが、万丈目と十代は、一応、仮にも、いや仮ではないが、いわゆる恋人同士ってやつなので。百歩、いや、千歩譲って許してやらんでもないわけである。
駄菓子菓子。
万丈目には許せない、というかこの状況が全くもって解せない理由があった。
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