骨と斧夢を見るときは、いつもそうだと分かる。
現実よりも尤もらしく虚実よりも奇怪なその場所には、いつも同じ顔をした自分が待っている。
だから「そういうこともあるのだろう」と思った。
青い肌。突き出た角。
体中の入れ墨。
禍々しい斧。
隠そうともしない闘争心と露骨な殺気を掲げ、斧の重心を傾けた。
かつんと金属が嗤う。
持ち主に似た音だ。
奴が左足を引く。心臓を抉るような殺意に喉を鳴らした。
己の腕がひしゃげ、[[rb:橈骨 > とうこつ]]がずるりと抜け落ちる。骨周りの筋肉は螺旋状に収縮をくり返し、尺骨を支え、グロテスクな容貌を曝す。骨の槌が手中に納まる。
言葉なぞ何も要らない。奴の口角が上がり、は、と空虚な息が漏れ、そして。
1461